「無料なのによく当たるという評判の占いサイト」「当たると話題の占いサイト」「当たる！無料占い」、ネットを見ているときにこうした広告を目にしたことがありませんか。最近、仕事がうまくいかない、お金が出ていくばかりで生活が厳しい、結婚したいのに相手が見つからない、など、悩んでいる時、神頼みをしたくなるでしょう。占いに頼りたくもなるでしょう。

そんなとき、「無料だったらちょっとだけ」「本当に当たるかもしれない」、そう思って、広告をクリックしてしまったことで、その後、数千万円を騙し取られたという例もあります。「無料」をうたう占いサイトの中には悪質な詐欺行為をはたらいているところもあるのです。最近、そうした占いを装った詐欺による被害が急増しています。

占いサイトとは

悩みや不安を抱えている時、誰かに相談したくなるのはごく自然なことです。自分だけで解決できないことを周りの誰かに相談することで、解決に向かうことがあるからです。占い師に相談し、占ってもらう人もいるでしょう。占いはさまざまな方法で人の運勢や未来などを予言するものです。「四柱推命」「西洋占星術」「算命学」、「タロット占い」「カード占い」など、みなさんも一度は占ってもらったことがあるのではないでしょうか。身近なところではお寺や神社で引く「おみくじ」も占いの一種です。

「占いサイト」は、インターネット上でさまざまな占いを行い、その鑑定結果を提供してくれるサービスです。その多くは名前、生年月日や生まれた場所、住んでいる場所などを入力することで占いの結果を出してくれます。いつでもどこでも占ってもらいたい時に使えることから、気軽に受けることができる占いとして、多くの人に利用されています。

占いサイトの詐欺被害、相談は年間1,000件以上に

「占い詐欺」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。「占い詐欺」は巧妙な手口や誘い文句で、占いを受けさせて、期待感を煽ったり、あるいは逆に不安感を煽ったりして、占いを受けた人からお金を騙し取る詐欺行為です。

「占い」で検索すると多くの占いサイトがヒットし、表示されます。その多くは企業や個人が真面目に運営しているものです。しかし、「占い」という検索でヒットし、表示された中には詐欺行為をはたらいていることで問題視されているサイトがあるのはいうまでもありません。

国民生活の安定や向上のために生活に関するさまざまな調査研究を行ったり、情報提供を行ったりするだけでなく、消費者にトラブルがあれば解決を手伝ってくれるのが独立行政法人の国民生活センター。ここには各都道府県の消費生活センターに寄せられたデータが集まってきています。

国民生活センターの発表によると、占いサイトの詐欺被害による相談数は2019年以降、急増しており、年間1,000件以上が寄せられています。こうした背景から、国民生活センター、全国の消費生活センターでは占いサイトを装った詐欺サイトについての注意喚起を促しています。

占いサイトの詐欺はネットの広告やメールがきっかけ

占いサイトを使った詐欺は巧妙な手口で行われます。無料のつもりで占いサイトに登録した利用者が占い師や鑑定士を名乗る人物から、有料サービスに誘導され、結果的に高額な支払いをしたという事例が国民生活センターに報告されています。

ではこうした詐欺行為を行っている占いサイトはどうやって、わたしたちに近づいてくるのでしょうか。詐欺に引っかからないためにも知っておいた方が良いでしょう。

占いサイトで行われる詐欺の典型的な手口は「無料診断」「鑑定料無料」といった誘い文句の広告やダイレクトメールです。無料を全面的に押し出している占いサイトやダイレクトメールを送りつけてくる占いサイトはほぼ全てが詐欺サイトですから反応はしてはいけません。

占いサイトの詐欺に遭ってしまったら

「占いサイトに騙されているかもしれない」「詐欺に遭っているかもしれない」「ご家族・友人・知人の様子がおかしい」、そう思ったら、早急に消費生活センターや法律事務所などに相談しましょう。

詐欺行為を行っている占いサイトはどのサイトもおおよそ同じようなメールのやり取りをしています。私たちが見れば、詐欺を行っている占いサイトなのか、そうでないのか、すぐにわかります。相手からきたメールを見せてもらえれば、次にどんなメールが来るかも、お答えすることができます。もしかしてわたしは占い詐欺の被害に遭っているかもしれない、家族が詐欺の被害に遭っているかもしれない、とそう思ったらまず窓口を開設しているところへ相談してください。

占いサイトが詐欺を行う際の手口は？

この数年、占いサイトを利用した詐欺で多いのは宝くじに関するもの。無料でできる占い鑑定を行った後、詐欺を行っている占いサイトに誘導されたり、メールが届くようになります。

運気を上げるために、と占いサイトにハマってしまい、1通1,500円のメールを繰り返し送るうちに莫大な費用を使ってしまったという事例があります。10億円当たるから、数百万、数千万円使ってもペイできると考えてしまうようです。実際、私どもで返金交渉を行った案件で1年間に6,000万円を使ってしまったという事例もあります。

高齢女性の占い詐欺被害、東京新聞が2023年3月に報道

占い詐欺の被害は増加の一途を辿っており、新聞の報道やテレビのニュースで目にすることもあるのではないでしょうか。

昨年2022年8月には兵庫県警の加古川署が占いサイトで詐欺被害を特殊詐欺事件として調べ始めたことが神戸新聞で報道されています。特殊詐欺はオレオレ詐欺だけではありません。場合によっては占い詐欺も特殊詐欺事件となりえます。

操作の対象となった占い詐欺の被害に遭ったのもやはり高齢者女性でした。75才の女性がスマートフォンに届いた占いサイトからの「宝くじ高額当選できる」というメールを信じて、登録。サイト内でのメールのやり取りのためにポイントを購入し続け、被害額は約7,190万円にもなってしまっていたというのです。

https://www.kobe-np.co.jp/news/backnumber2/202208/0015559581.shtml

「宝くじ高額当選するにはポイント購入を」占いサイトで女性が７１９０万円詐欺被害（神戸新聞NEXT 2022年8月15日）

また、東京新聞が今年2023年3月、東京都内の77才の女性がサイトの広告で占いサイトにハマってしまい、300万円を騙し取られたという詐欺に関する記事を掲載しています。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/240950

「人生最大のチャンス」のはずが…占いサイトに課金繰り返し300万「血の気引いた」　狙われる高齢女性（東京新聞TOKYO WEB 2023年3月30日）

占い詐欺に関する事件では高齢女性が被害に遭っているケースが報道されています。わたくしどもインサイト法律事務所へ占い詐欺の被害で相談にいらっしゃるのもやはり高齢者女性やそのご家族、親族といった方からのものが増加傾向にあります。

様子が変わった！？占い詐欺かも？まずはお声がけを！

占い詐欺、よく見られる特徴の一つとして挙げられるのが、ご自身が被害に気付いておられないということ。わたくしどもインサイト法律事務所にご家族が相談にいらっしゃった事例では、息子さんが実家に帰省した際、お母さまが電子マネーをコンビニで購入した明細が大量発見され、詐欺被害がわかったというものがありました。

「コンビニでの振込み明細を見かけた」「銀行口座の残高が急激に減っている」「スマートフォンに向かう時間が長くなっている」など、ご家族の様子がこれまでと違っているようであれば、お声がけしてみてください。

占いサイトで詐欺被害に遭ってしまった！どうしたら良いのでしょうか？

では占いサイトの詐欺の被害に遭ってしまい、詐欺業者から騙し取られたお金を返金してもらうためにはどうしたらいいかを解説します。

まず冷静になることが必要です。

怒りにまかせて勢いで相手に文句を言ったりすると占いサイトを強制退会させられてしまうことがあります。

また、これ以上、大変なことになっては、と不安になって会員になっている占いサイトを自分から退会しないようにしてください。

詐欺行為を行った占いサイトに返金を求める場合、占い師・鑑定士からのメッセージなどが証拠として必要になります。

強制退会させられたり、自ら退会してしまったりすると過去のやり取りのメッセージが消えてしまい、返金要求できなくなってしまいます。支払い方法にもよりますが、支払いや振込みの明細も捨てずに保管してください。これも返金に必要となるケースがあります。

占いサイトの詐欺被害に気が付いたら早急に

占いサイトの詐欺行為の被害に気が付いたとき、証拠としてメールやメッセージ、サイトでの占い師・鑑定士を名乗る人物との間で行われたやりとりのスクリーンショットを取っておきましょう。

そして、被害について、できるだけ早く、法律事務所に相談してください。

コンビニでの入金や振込明細を証拠として取っておいても、開示請求できるのは1年ほどしかありません。また、詐欺を行っているサイトは閉鎖されてしまうと追いかけるのが困難になってしまいます。交渉・解決を図っていくためには迅速に動き、手を打つことが必要です。

占い詐欺の被害について、相談に来られることは決して恥ずかしいことではありません。最近の占いサイトの詐欺は手口が巧妙です。誰が引っかかってもおかしくありません。占い詐欺の被害に遭っているのではないか、そう思ったら、できるだけ早く、相談にいらっしゃってください。

占いサイトで詐欺被害に遭っているかも？と思ったら弁護士法人インサイト法律事務所へ

第二東京弁護士会所属の大川博俊弁護士が代表を務める弁護士法人インサイト法律事務所には占いサイトで行われた詐欺被害の解決に取り組み、返金交渉をしてきた弁護士が在籍しています。占いサイトにおける詐欺事件の解決には早期対応が重要です。専用の相談窓口を設け、受付時間外でも対応するのがインサイト法律事務所。一人で悩まず、まずはインサイト法律事務所にご相談ください。