被害類型
不動産投資
「将来の年金代わりに」
「節税対策になる」
「月々数千円でマンションオーナーに」――
会社員や公務員、若年層を狙った不動産投資の強引な勧誘が続いています。問題は投資の成否だけでなく、リスクや将来の負担を隠し、非現実的な収益シミュレーションを提示して高額なローンを組ませる点にあります。「登記まで済んだから諦めるしかない」と思わず、勧誘過程に問題がないか見直しを検討しましょう。
よくある手口
シミュレーションと節税の罠
- 将来のリスクを隠したシミュレーション:「家賃でローンが相殺され持ち出しは僅か」と説明するが、空室リスク、修繕積立金の増加、金利変動のリスクが織り込まれていない。
- 節税効果の誇張:「所得税が還付される」とメリットばかり強調するが、固定資産税や将来的な減価償却の減少により、短期間で節税効果が薄れ負担が重くなる。
サブリースと強引な勧誘
- サブリース(家賃保証)の安心感を強調:「空室でも安心」「賃料は変わらない」と加入を勧めるが、数年で一方的な賃料減額や解約を求められるトラブルが頻発している。
- 執拗な勧誘と即決の強要:勤務先への電話や自宅訪問で執拗に勧誘し、「今日中に決めれば特別条件」などと家族や専門家に相談する時間を与えない。
- 虚偽または不正確な融資申込:融資を通すために、業者が源泉徴収票や預金残高の数字を水増しして金融機関に提出する不適切な手法。
解決のアプローチ
宅地建物取引業法違反の有無の検証
強引な勧誘、将来の利益に関する断定的説明、リスクの不告知などは宅建業法違反に当たる可能性があります。法令違反を整理し、契約の取消や損害賠償を検討します。
市場価値と収支の現実の再検証
実際の賃貸状況や近隣相場、金融機関の評価を元に、物件価格が市場価格とどれほど乖離しているか、当初のシミュレーションの現実性を客観的に整理します。
金融機関への対応と債務整理の検討
ローンが家計を圧迫している場合、任意売却やローンの条件変更、また任意整理や自己破産といった債務整理手続も含め、生活再建のための総合的な「出口戦略」を考えます。
Q&A
一度契約して登記まで済ませてしまいました。もう見直せませんか?
登記完了後でも、勧誘の過程に虚偽説明や強引な迷惑勧誘などの重大な違法行為があれば、契約の取消しや合意解約を検討できるケースがあります。
「サブリース(家賃保証)があるから安心」と言われました。
サブリースは「一定期間経過後は賃料を見直せる」等の条項が契約書に含まれていることが多く、将来の減額や打ち切りのリスクがあります。専門家との内容確認をお勧めします。
ローンの支払いが苦しく自己破産しかないのでしょうか。
必ずしも自己破産だけが選択肢ではありません。任意売却や任意整理など、収入や他の負債状況、ご家族の事情をふまえ最適な方法を検討します。
事例の紹介
※上記の各解決事例は当事務所の実績に基づく典型例であり、特定のご依頼者様の事件をそのまま記載したものではありません。また、回収の可否や金額は相手方の実態や証拠状況により異なるため、同様の結果を約束するものではありません。
職場への執拗な勧誘と
割高な投資マンションの解約
- ご相談の概要
- 飲食店勤務中に何度も営業電話を受け、断りきれずに投資用マンション2物件を契約させられたが、購入価格が周辺相場より大幅に高くシミュレーション通りでもないと判明した事案。
- 当事務所の対応
- 勤務中の電話が宅建業法上の迷惑勧誘に当たること、断定的説明がなされた点を整理。市場価格との差を具体的な数字で示し、内容証明郵便による合意解約交渉を実施。
- 結果
- 交渉により2物件とも合意解約となり、物件を業者に戻すとともにローン残債相当額の返還を受ける和解が成立。
虚偽シミュレーションによる
損害賠償の獲得
- ご相談の概要
- 家賃保証と節税を強調されて購入したが毎月多額の持ち出しが続き、後から調べると売買価格が市場価格の約2倍であったことが判明した事案。
- 当事務所の対応
- 契約時のシミュレーションと現実の収支・市場価格を比較し、実現可能性の欠如やリスク説明の不足を整理。重説義務違反や不当な高値売買に基づく不法行為責任を主張し交渉。
- 結果
- 交渉の結果、本件では市場価格との差額の一部について賠償金を支払う内容の和解が成立。