「高額な支援金を受け取れるはずなのに、手続きのための支払いが終わらない」
「サイトの運営会社が海外にあり、返金を求めようにも連絡が取れない」
支援金の受取りを信じて2つのサイトに合計約60万円を支払った方について、当事務所が決済代行会社に請求し、合計約40万円の返還合意に至った事例を紹介します。本件では、海外のサイト運営者と連絡が取れないため、代金の支払いに関与した会社に着目しました。各サイトの決済を取り扱う会社に対し、それぞれ責任を追及して交渉を進めています。
※本記事は、当事務所が取り扱った個別の事案について、個人・事業者の特定につながる情報を一部修正して紹介するものです。金額は概数で記載しています。解決内容は事案ごとに異なり、同様の結果を保証するものではありません。
目次
高額な支援金の案内から、ポイント購入が始まった
ご相談者のもとに届いたのは、約3億円の支援金を提供するという趣旨のメールでした。ご相談者は、その金銭を受け取るため、案内されたサイトに会員登録しました。ところが、登録しただけで支援金が振り込まれることはありませんでした。サイト側からは、受取りのために指定された手続きを行うよう求められ、その手続きを進めるためにポイントを購入する必要があると説明されました。
ご相談者は、手続きが完了すれば支援金を受け取れると信じ、ポイントを購入・利用し続けました。しかし、指示に従っても手続きは終わらず、さらにポイント購入を求められていました。こうした支払いは2つのサイトで生じており、一方では約18万円、もう一方では約40万円を支払っていました。合計約60万円を負担しても、約束された支援金は受け取れないままでした。
海外の運営者と連絡が取れず、請求先を検討
本件では、サイトの運営者が海外にあり、連絡が取れない状況でした。返金を求めたいと思っても、相手と連絡がつかなければ、支払経緯を説明して交渉すること自体が難しくなります。しかし、運営者と連絡が取れないことと、ほかに検討できる対応がないことは同じではありません。
そのため、当事務所は、サイト運営者だけでなく、ご相談者が代金をどの会社を通じて支払ったのかを確認しました。本件では、2つのサイトで、それぞれ別の決済代行会社を通じて代金が支払われていました。そこで、各社が取り扱った支払いを分け、対応する決済代行会社に個別に請求する方針を取りました。
支援金を口実に支払いを続けさせた仕組み(問題点)
当事務所は、各決済代行会社への通知書で、サイトへの登録からポイント購入に至る経緯を説明しました。請求に当たって着目したのは、単にポイントを購入したという事実ではなく、支援金を受け取るために必要だと説明され、その説明を信じて支払ったという点です。
具体的には、主に次の点を問題としました。
・面識のない相手から、高額な支援金を提供するという案内が届いていたこと。
・支援金を受け取るための手続きとして、ポイント購入を求めていたこと。
・ポイントを購入・利用しても支援金は支払われず、追加の購入が求められていたこと。
・支援金の受取りに必要とされた手続きに、合理性が見いだせないこと。
当事務所は、こうした経緯から、支援金を提供するかのように誤信させ、架空の手続きのために利用料金名目で金銭を支払わせたと主張しました。そのうえで、決済代行会社に対しては、加盟店の審査・管理や、不当な取引について決済を拒絶すべき義務に違反したとして、支払額について損害賠償を求めました。
それぞれの決済代行会社と、返還について和解が成立
請求後、各決済代行会社との間で交渉を進めた結果、いずれについても一部返還の合意に至りました。
本件の支払額と合意内容は、次のとおりです。
一方のサイト:支払額約18万円に対し、約11万円の返還合意
もう一方のサイト:支払額約40万円に対し、約30万円の返還合意
合計:支払総額約60万円に対し、約40万円の返還合意
支払額の全額を返還する内容ではありませんが、海外のサイト運営者と連絡が取れない状況でも、決済に関与した会社への請求・交渉により、返還について和解が成立した事例です。
「海外サイトだから」と諦める前に、支払記録の確認・相談を
支援金・当選金サイトの被害では、サイト上の説明と、実際の支払いの経路を分けて整理することが重要です。本件でも、サイトの運営者に連絡が取れない中で、それぞれの決済代行会社を請求先として交渉しました。サイト名だけでなく、支払明細などに表示されている会社名が、対応を検討する手掛かりになる場合があります。
ご相談の際には、残っている範囲で次の資料をご用意ください。
・支援金や当選金を案内されたメール・メッセージ
・手続きやポイント購入を指示された画面
・サイトの名称、URL、運営者情報が分かるもの
・支払日、支払額、支払先が分かる明細や領収書
・ポイント購入履歴や、問い合わせの記録
複数のサイトに支払っている場合は、どのサイトで、いつ、どの会社を通じて支払ったのかを分けておくと、経過を確認しやすくなります。もちろん、すべての資料をそろえてからでなければ相談できない、ということではありません。
「支援金を受け取るために支払ったのに、追加請求が続いている」「運営会社が海外で連絡が取れない」とお困りの方は、当事務所にご相談ください。当事務所では、勧誘内容や支払いの経過、関係する事業者の立場を整理し、決済代行会社への請求を含め、事案に応じた返金請求の可能性と対応方法を検討します。