「○○万円が当選した」「政府指定救済金に当選し3億円を受け取れる」などのメッセージをきっかけにサイト登録させ、ポイント購入や手続費用を次々と支払わせる被害が報告されています。典型的なパターンと注意点、早期に弁護士に相談すべきタイミングを解説します。
「当選しました」「支援します」から始まるサイト被害
メールやSNSで突然「50万円が当選しました」「政府指定救済金に当選し、3億円を受け取れます」などと告げられ、サイトに登録させられるケースが後を絶ちません。
国民生活センターは、「当選金を受け取れる」「支援金をもらえる」といった言葉で誘い、登録後にポイント購入や手続費用を次々と請求する仕組みを、利益誘引型サイトの一種として問題視しています。
利用者の多くは、「当選メールがきっかけで軽い気持ちで登録した」「支援してもらえるならありがたいと思った」といった経緯でサイトを利用し始めます。
しかしサイトを使い続けるうちに、「お金を受け取るためのポイント」「手続き費用」といった名目で支払いが重なり、当初想像していた額をはるかに超える金額を支払ってしまった、という相談が多数寄せられています。
当選金・支援金詐欺のよくある事例
国民生活センターが紹介している相談事例から、典型的なパターンをいくつか取り上げます。
「50万円が当選した」メールから複数サイトに登録してしまったケース
「50万円が当選した」とのメールをきっかけに案内されたサイトに登録したところ、当選金を受け取るためにはポイント購入が必要と言われ、複数のサイトに次々と登録・ポイント購入をしてしまった、という相談が寄せられています。
「政府指定救済金に当選し3億円を受け取れる」と信じて支払いを続けたケース
「政府指定救済金に当選し、3億円を受け取れる」と案内され、救済金を受け取るための手続費用として何度も支払を繰り返してしまった事例が紹介されています。
新型コロナの影響による収入減をきっかけに在宅ワークサイトに登録したケース
収入が減ったことから在宅ワークができるサイトに登録したところ、報酬を受け取るためと説明され、様々な名目でお金を請求され、支払いを続けてしまったケースも報告されています。
いずれのケースでも、「当選」「支援」「救済」といった前向きな言葉を入り口に、受け取る側ではなく“払う側”にされてしまっている点が共通しています。
共通する問題点
当選金・支援金をうたうこれらのサイトには、次のような問題点が共通して見られます。
1,知らないうちにサイトに誘導されて登録している
メールやSNSのメッセージからリンクを辿っているうちに、複数のサイトに登録してしまっていることが少なくありません。
2,様々な名目で支払を続けさせられる
「当選金を受け取るためのポイント」「支援金受取りの手続費用」「手続き完了のための追加費用」などと次々に請求され、合計額が高額になりがちです。
3,やりとりしている相手の言葉に押されてしまう
「一緒に頑張ろう」「私はもう受け取った」「ここまで来たらあと少し」などの言葉を信じ、支払いを続けてしまうケースが多く報告されています。
4,“劇場型”の手口になっている
副業仲間、サポート担当、確認担当など、複数の人物が登場し、それぞれが話にリアリティを持たせる役割を担う「劇場型」の構成になっている点も問題とされています。
このような構造があるため、ご相談者の方々からは「どこかでおかしいと思っていたが、止めるきっかけが掴めなかった」という声が多く聞かれます。
こんなメッセージには要注意
当選金・支援金型の被害を避けるためには、次のようなメッセージや誘い方に警戒することが大切です。
応募した覚えがないのに、「○○万円が当選した」「救済金の受給対象に選ばれた」といった連絡が突然届く。
応募や申込みをしていないのに、「○○万円が当選した」「政府指定の救済金に当選した」「80億円の支援金を給付する」といった連絡が来たら、詐欺を強く疑うべきです。
国民生活センターや消費者庁が公表している事例でも、応募していないのに当選や支援を告げるメール・SMSをきっかけに、サイト登録と支払いを繰り返させるケースが多数報告されています。
「当選金を受け取るにはポイント購入が必要」「支援金の振込みには手続費用がかかる」といった説明で、次々と支払いを求めてくる。
支援金や当選金の受取りに、プリペイド型電子マネーやギフトカードを購入してコード番号を送る必要がある、という説明はほぼ詐欺と考えて差し支えありません。
支援団体を名乗る事業者が「送金同意証明書3,000円が必要」「3,000円分の電子マネーカードを購入すれば80億円の支援金を受け取れる」と説明し、電子マネーを何度も購入させて支援金は一切支払われなかった事例が、消費者庁の注意喚起で取り上げられています。
サイト内の相手がとても親身で、「一緒に頑張ろう」「私はもう受け取った」と励ましてくる。
副業仲間や相談相手を名乗る人物が、「一緒に頑張ろう」「私は報酬を受け取った」と言いながらポイント購入を促すケースでは、その相手が“サクラ”である可能性が高いとされています。
国民生活センターでも、こうしたサイトでは「やりとりしている相手に言葉巧みに促されて支払いを続けている」「様々な立場の人物が次々と登場する劇場型の手口が用いられている」と分析しており、相手の言葉をそのまま信用することは危険です。
メールやメッセージの差出人が、実在する企業名や公的機関名に似せた名前を使っている。
消費者庁が注意喚起した事例では、「特別法人支援団体」「生活復興支援窓口」「NPO団体の支援機構」といった、公的に存在するかのような名称を使っていましたが、いずれも架空の名称または実在の機関とは無関係の名称でした。
また、「厚労省」と名乗って支援金を案内する事業者と、国の行政機関である厚生労働省との間には一切関係がないことも明記されています。
これらは、国民生活センターの相談事例から抽出された典型的なパターンであり、一つでも当てはまる場合は、慎重な判断が必要です。
被害に気づいたときの具体的な一歩
「当選金や支援金のはずなのに、支払いばかり増えている」「やりとりの内容がおかしい気がする」と感じたら、その時点から新たな支払いを止めることが重要です。
国民生活センターの相談事例や消費者庁の調査結果でも、利用者がサイトの指示通りにポイント購入や手続費用の支払いを続けても、実際に当選金や支援金が支払われることはなく、「数千円から1万円程度の手数料を支払えば多額の支援金が給付されるかのように告げていたが、実際には支援金は存在せず、給付されることはなかった」として、消費者を欺く行為に当たると認定しています。
すでに繰り返し支払いをされてしまっている場合には、これまでのやりとりの内容(メール・メッセージの画面、サイトの表示)、ポイント購入や手続費用を支払った記録(クレジットカード明細、電子マネーのレシートなど)を、削除せずに残しておくようにしてください。
そのうえで、今後どう対応するのが良いか、返金の可能性があるか、これ以上被害を広げないためにすべきことは何かといった点については、できるだけ早い段階で専門家に相談した方が、取れる選択肢が広がります。
当事務所では、当選金・支援金を名目とするサイトやメールのご相談を多く扱っており、支払方法やサイトの運営形態に応じて、事業者側への対応や決済会社とのやりとりなどを含めて検討していきますので、「もしかして」と感じた時点で一度ご相談いただくことをお勧めします。