占いサイトや占いアプリの被害では、「おかしいと思っていたのにやめられなかった」「不信感はあったのに支払いを続けてしまった」という相談が後を絶ちません。国民生活センターによると、同種トラブルの既支払金額の平均は約122万円にも上り、「少額の遊び」では済まない深刻な実態がうかがえます。 本コラムでは、国民生活センターの注意喚起資料をもとに、利用者を罠に引き込む「魔法の言葉」と、途中で「やめたい」と思ってもやめられなくなる巧妙な手口について解説します。
目次
課金への入口:「あなただけ特別」という甘い言葉
悪質な占いサイトは、最初から露骨にお金を請求してくるわけではありません。多くの場合、以下のような言葉で利用者の関心を強く惹きつけます。
・「あなたが高額当選している姿が見える」
・「私はあなたの守護霊から担当占い師に任命された」
・「あなたには特別な運勢がある、今まで占った中で1番の強運の持ち主だ」
悩みや不安を抱えているときに「自分のことを分かってくれている」「自分には特別な力がある」と言われると、相手を信じやすくなり、やり取りを始めやすくなります。 しかし、国民生活センターは、こうした“自分だけに向けられた言葉と思わせるメッセージ”が、実際には多数の消費者に対して一斉に送られている可能性があると指摘しています。特別感を強調する言葉は、単なるサービスではなく、終わりの見えない課金への「入口」として機能しているのです。
終わらない指示:無意味なやり取りでポイントを消費
「あなたは特別」と言われて始まったやり取りは、やがて占い師や鑑定士を名乗る者からの“儀式のような指示”へと変わっていきます。国民生活センターの資料では、次のような行為が紹介されています。
・祈りの言葉を唱え、終えた合図として漢字を一文字ずつ送信させる。
・宝くじで当選したい金額をイメージしながらメッセージを送信させる。
・「今日はいい日ですね」といった決められた言葉を送信させる。
これらは一見すると意味がありそうに感じられますが、実際には結果がなかなか示されません。「あと少し」「次で整う」などと言われ、メッセージを送るたびに有料ポイントを消費させられ、やり取りだけが延々と続いていく構造になっています。
なぜやめられない?不安をあおり引き止める手口
占いサイトの被害で特に問題なのは、利用者が途中で「おかしい」と思っても、やめづらい状況が意図的に作られていることです。
「もったいない」という心理を突く
やめようとすると、「今やめるとこれまでのやり取りがすべて無駄になる」「ここでやめると運気が逃げる」と引き止められます。すでに支払ったお金や時間が惜しくなり、「もう少し続けよう」と課金を繰り返してしまいます。
不安をあおる
「最後まで鑑定を受けないと不幸になる」と不安を刺激し、やめられない状態に追い込みます。
複数の鑑定士の登場
最初の鑑定士だけでなく、その師匠や別の鑑定士が次々と登場し同時進行でやり取りが続くことがあります。相手が増えるほど「ここでやめたら失礼ではないか」「みんなが自分のために動いてくれている」と感じさせ、さらに抜け出しにくくさせます。
1回ごとの支払いは高額に見えなくても、これらが積み重なることで、気づいたときには数百万円という大きな被害になっていることが少なくありません。
「おかしい」と思ったら、証拠を残して早めに相談を
やり取りの途中で少しでも不信感を持ったら、まずはこれ以上のポイント購入や送金(課金)を止めることが最も大切です。
そのうえで、退会する前に、メッセージ画面や課金履歴、クレジットカードや電子マネーの明細などをスクリーンショット等で必ず保存してください。退会するとメッセージ履歴が確認できなくなるサイトもあるため、この証拠保全が後からの返金請求において非常に重要になります。
占いサイトの問題は、「信じやすかった」「自分の意思が弱かった」で片付くものではありません。相手は期待を持たせ、不安をあおり、巧みに引き止めるプロです。やり取りの内容やサイトの運営実態によっては、支払ったお金の返金を求められる可能性があります。
「やめたいのにやめられない」「もう払ってしまったので今さら相談しにくい」と感じている方こそ、一人で抱え込まず、状況が深刻化する前に当事務所の無料相談をご活用ください。