スマートフォンの普及にともない、メール占い・チャット占いなどの「占いサイト」に関する相談が、毎年1,000件を超える規模で各地の消費生活センターに寄せられています。
なかには、1年少しの利用で合計1,000万円前後を支払ってしまったという、高額な被害事例も報告されています。
ここで問題になるのは、「占い」というサービスそのものではなく、占いを名目にした料金の取り方や運営の仕組みが、行き過ぎていないかという点です。
一般的な星座占い・手相占いなどと比べて、悪質な占いサイトには次のような特徴があります。
一般的な占いとの違い
対面の手相占いや、雑誌・テレビの星座占いなど、日常的に触れる占いには、だいたい次のような共通点があります。
- 料金が明示されている(「1回◯◯円」「30分◯◯円」など)。
- 1回で結果が完結することが前提になっている。
- 多くは無料または比較的低額で利用できる。
これに対し、悪質な占いサイトでは、
- メール1通の返信ごとに1,500円程度など、「1回いくら」ではなく都度課金で料金が発生する。
- 1回の鑑定で終わらず、「続きが必要」「あと少しで結果が出る」などと言われ、やり取りが延々と続く。
- 結果として、数十万円〜100万円単位の支払いになるケースが少なくない。
相談件数と被害の規模
国民生活センターの統計や実務報告によると、占いサイト・アプリに関する相談は、2010年代後半以降、毎年1,000件以上で推移し、2015〜2017年度には1,400〜1,500件台だったとされています。
相談者の多くは女性で、40〜50代に加えて、60代以降の割合も目立つと報告されています。
また、既に支払った金額の平均が100万円を超えているというデータもあり、「少し占っただけ」のつもりであっても、高額になってから相談に至る例が多いのが実情です。
悪質な占いサイトの「本質」
論文や裁判例では、悪質な占いサイトの本質を次のように捉えています。
表向きは「占い」「鑑定」「祈祷」と説明しながら、実際には、
・無駄な送受信を繰り返させる
・テンプレート的なメッセージを使い回す
・特別感や不安をあおってやめさせない
といった手口で、利用者に有料ポイントを消費させ続けること自体を目的としている。
つまり、「占いの結果が当たるかどうか」という問題ではなく、
- 個別鑑定を装ってポイントを使わせているのか
- 消費者の不安や心理状態につけ込んで、社会的に見て行き過ぎた勧誘をしていないか
といった点が、法律上の問題として問われることになります。
すべての占いサイトが違法というわけではない
もちろん、すべての占いサイトが違法・悪質というわけではありません。
論文でも、「ここで述べる特徴の一部が当てはまるからといって、直ちに違法とは限らない」と丁寧に断ったうえで、被害事例で共通して見られる特徴を整理しています。
したがって、重要なのは、「自分が利用している(あるいは利用しようとしている)サイトが、一般的な占いの範囲を超えて、高額な都度課金や不自然な勧誘に依存していないか」を冷静に見極めることです。