出会い系サイトやマッチングアプリで騙された!詐欺行為は許さない!

出会い系サイト

恋活、婚活、デート相手を求めて、出会い系サイトやマッチングアプリを使う人が増えています。ネットで知り合い、付き合っている、結婚したという人も珍しくなくなっています。出会いの場を作ってくれる、こうしたサイトやアプリの中の一部にはサクラを使って詐欺行為を働いている人がいます。ほとんどのサイトやアプリでサクラ行為は禁止されていますが、容易に稼げるからと手を出す人が後を絶ちません。

「真剣に出会いを求めていたのに出会い系サイトで詐欺に遭ってしまったが、返金してもらえるのか」「多額のお金をサクラ行為で騙し取られてしまった」
「サクラ行為は犯罪になるのか」など、出会い系サイトやアプリでの詐欺行為についてインサイト法律事務所の大川博俊代表弁護士が解説いたします。

出会い系サイト詐欺の相談件数は1万件を超えたことも

消費者庁はインターネット消費者トラブルに関する調査研究のデータを公表しています。2022年1月に発表された調査研究データ「マッチングアプリの動向整理」によると、恋愛もしくは結婚意向がある恋人のいない独身者のネット系婚活サービスの利用率は2020年の19.1%から、21.8%へと増加しています。また、ネット系の婚活サービスを利用して結婚した人の割合は2020年には11.1%と、前年の6.3から一気に増加しました。出会い系サイトやマッチングアプリで知り合い、結婚したという例は珍しくなくなっています。

2022年には相談件数が減少もさらに注意が必要

そうした状況を背景に出会い系サイト詐欺に関する相談件数も増加傾向にあります。国民生活センターが2023年2月に発表した相談件数は2020年、2021年の2年連続で1万件を突破しています。

行政機関、国や全国の消費生活センター等と連携して、消費者問題に取り組んでいる国民生活センター、それに私どものような法律事務所などが、出会い系サイトやマッチングアプリで行われている詐欺に対する注意喚起を促していることが功を奏し、国民生活センターに対する被害相談件数は減少傾向にあるようです。

2022年には相談件数が1万件を切り、8,824件となりました。しかし、今後も出会い系サイトやマッチングアプリの利用者の増加にともって、こうしたサイトやアプリを悪用する詐欺行為も増加していく恐れがあります。

出会い系サイトやマッチングアプリで行われる詐欺とは?

出会い系サイトやマッチングアプリを使って行われる詐欺にはどんなものがあるのでしょうか。

よく知られているのはSNSなどに掲出している広告から無料の出会い系サイトやマッチングアプリに登録させ、そこに参加しているサクラがユーザーを有料のサイトやアプリに誘導、高額な会費や登録料をとるというもの、あるいは出会い系の詐欺サイトの運営者側が用意したサクラをユーザーにマッチングして、多額の有料ポイントを購入・消費させる会話を続けさせるというものが多く見られます。。

最近はこういった出会い系詐欺の手法に加えて、出会い系サイトやマッチングアプリにいる詐欺師がユーザーに投資などを持ちかける投資詐欺や、副業を誘う副業詐欺、さらには情報商材詐欺、仮想通貨詐欺などを行うというケースも見られるようになってきています。

詐欺の手口・手法はますます巧妙化しているといえるでしょう。

国民生活センターに寄せられている出会い系サイト詐欺に関する相談

国民生活センターは消費生活に関する情報を全国の消費生活センター等から収集し、消費者被害の未然防止・拡大防止に役立てています。同センターはインターネットで出会い系サイト詐欺について、相談事例を紹介していますが、この事例を見ると、手口・手法がいかに巧妙化しているかということがご理解いただけると思います。

・出会い系アプリで悩みを聞けばお金がもらえると言われたが、サイト運営事業者に手続きには費用がかかると言われ、多額のポイント代を支払ってしまった。どうしたらよいか。

・悩みを聞くだけで報酬がもらえるという出会い系サイトに登録した。報酬をもらうためにサイト内ポイントの購入を求められ、電子マネーで課金したが、報酬は得られず、サイトにアクセスできなくなった。どう対処したらよいか。

・マッチングアプリで知り合った女性と連絡先を交換するために、ポイント代金をクレジットカードで次々に支払ったが、結局連絡先は交換できなかった。返金してほしい。

・SNSで友達申請された相手から誘導されて出会い系サイトに登録し、実際に会うために何度もお金を振り込んだが、会うことができなかった。返金してほしい。

・知らない女性からのメールがきっかけで出会い系サイトに登録し、個人情報交換のために電子マネーでポイントを購入したが、騙されたようだ。返金してほしい。

出典:国民生活センター「出会い系サイト・最近の事例」

私どもインサイト法律事務所にいらっしゃる被害者の方から伺う相談も同様のケースが見られます。相手とのメッセージのやり取りに電子マネーやポイント購入といった要求があった場合には詐欺を疑った方がよいでしょう。

出会い系サイトやマッチングアプリのサクラは犯罪行為?

出会い系サイトやマッチングアプリで行われているサクラ行為とはどういうものなのでしょうか。サクラ行為とは偽客が客を騙すために行う行為です。出会い系サイトやマッチングアプリにいるサクラはサイトの運営業者が雇ったサクラと、詐欺グループが自分達の運営するサイトやアプリに誘導するために潜り込ませたサクラが、よく知られています。しかし、どちらのサクラも詐欺罪や組織犯罪処罰法違反で処罰される可能性があります。

警視庁は2019年3月、出会い系サイトでサクラを使い、男性会員から現金を騙し取ったとして、サイト運営会社役員ほか男女29人を詐欺の疑いで逮捕しています。SNSを通じて、不特定多数の男性にメッセージを送り、出会い系サイトへ誘導したという事件です。この時に逮捕された容疑者の大半がサクラでした。

サクラのアルバイトはテレフォンアポインター、コールセンター業務と称して募集をかけていることがあります。ここで紹介したようにサクラ行為は犯罪として逮捕されることもあるのです。ご自身が犯罪者になってしまわないよう、注意しましょう。

出会い系サイト、マッチングアプリの詐欺で被害額は2,000万円!

私どもインサイト法律事務所はこれまでに出会い系サイトやマッチングアプリで行われている詐欺行為の被害者からの相談を受け、返金交渉をしてまいりました。ご相談を受けた中で被害額が2,000万円という高額になってしまった事例をご紹介しましょう。

マッチングアプリから出会い系サイトへ誘導

ご相談いただいたのは東北地方在住、60歳の男性です。マッチングアプリで女性と知り合い、LINEのアドレスを交換されました。しかし、女性の方から「携帯電話が故障したので、別の無料サイトで交流を続けたい」と出会い系サイトへと誘導されたのだそうです。このサイトは無料で利用できると案内されたのですが、システム側から「文字化け解除費用が必要」「セキュリティ解除費用が必要」など、さまざまな理由をつけられ、次から次へと追加費用が発生。

この間、男性は相手の女性から「がんばって」「早く一緒に暮らしたいね」など、甘い言葉で誘惑され、増え続ける追加費用を払い続けてしまいました。その結果、私どもにご相談されてきた際、被害額は2,000万円にも膨れ上がっていました。

相手からの積極的なアプローチで

普通に考えるとLINEから有料サイトに誘導されてお金を払うのはおかしいことだと気づきそうなものです。しかし、相手の女性が美人だったり、あるいは相手から積極的にアプローチされてしまったりすることで、冷静さを欠いて、正常な判断ができなくなってしまうようです。私どもインサイト法律事務所へご相談にいらっしゃる方々でもこのパターンの事例が多く見受けられます。

出会い系サイトやマッチングアプリでの詐欺被害、返金は困難?

東北在住の60代男性のケースでは出会い系サイトが海外にあるサイトでした。支払いはコンビニ決済で行われていたため、私どもはコンビニに対して、決済先の開示請求をかけました。その後、詐欺を行った相手と交渉を行った結果、全額とはいかなかったものの、60%ほど返金させることができました

海外サイトであるがゆえに連絡がつかないというような、個人レベルでは返金交渉が困難な場合でも、詐欺被害事件を取り扱ってきた法律事務所には返金交渉に進める可能性があるノウハウがあります。この事例で交渉まで進み、返金させることができたのはそうしたノウハウがあったからです。

出会い系サイト、マッチングアプリを利用した詐欺師、詐欺グループから返金させる可能性を高めるためには迅速に行動することが必要となります。特にコンビニ決済の場合には開示請求できるのが1年程度となっています。騙されてしまった、騙されているようだと気が付いた時には最寄りの消費者センターや法律事務所にご相談いただくことをお勧めいたします。

出会い系サイトで詐欺に遭った!返金させるためには?

出会い系サイトやマッチングアプリによる詐欺に遭ってしまい、悩まれている方に私たちインサイト法律事務所からのアドバイスがあります。一つ目は「返金を諦めないでほしい」ということです。交渉の方法次第で返金される場合があるからです。

詐欺に遭ったサイトのアカウントを削除しない!

出会い系サイトやマッチングアプリの詐欺師から被害に遭って、不愉快に思い、アカウントを削除したくなる気持ちはわかります。しかし、アカウントを削除してしまうと、証拠を保全できませんし、被害調査が困難になってしまいます。そのため、削除はせず、そのままの状態にしておくことをお勧めいたします。

激しい抗議はせず、アカウントは削除させないこと

早く返金させたい、なんとかしたいと焦る気持ちになるでしょう。しかし、返金交渉をいきなり個人で、直接行った場合、サイト運営側でログインできないようにアカウントをロックされてしまったり、最悪の場合にはアカウントを削除されてしまったりすることがあります。できれば、返金交渉は私ども法律の専門家にお任せいただきたいのですが、もしご自身で返金交渉を行うのであれば、詐欺を働いたサイト運営側に対して、激しい抗議は行わず、冷静に返金を求めてみてください。

詐欺被害の証拠保全を行いましょう

そのため、少し冷静になって、詐欺に遭われた証拠、例えば相手とのメールやメッセージのやり取りといったものをスクリーンショットで取っておくこと、送られてきたファイル類があれば保存すること、さらには銀行やコンビニでの振り込み明細などを捨てずに保存しておくことが重要です。

その上で最寄りの消費者センターや法律事務所にご相談いただければ、詐欺を働いた相手との返金交渉に進むまでのスピードアップが望めます。

詐欺被害の相談は弁護士法人インサイト法律事務所へ

詐欺被害の相談は警察、国民生活センターや消費者センター、認定司法書士、弁護士、いずれも受けることができます。しかし、返金について警察は動くことができません。また、被害金額が140万円以下の場合には認定司法書士でも返金のための訴訟は行えるのですが、140万円を超える金額の返金訴訟となると弁護士以外にできません。

私たちが扱った事例としてご紹介した2,000万円という被害額のものがあることからわかるように、出会い系サイトやマッチングアプリの詐欺の被害金額は高額化しています。インサイト法律事務所には出会い系サイトやマッチングアプリで行われた詐欺、副業詐欺などの解決に取り組み、返金交渉をしてきた弁護士とスタッフが専用の相談窓口を設け、受付時間外でも対応しております。詐欺行為に遭ってしまい悩まれている方、私どもの弁護士にご相談ください。