そのメールは本当にタレント!?増えるサクラサイトの詐欺行為

「元気ですか?」から始まるメールのタイトル。
その送信者で表示されたのが、有名な芸能人やスポーツ選手。突然、そんな人の名前で間違いメールが届いたら、あなたはどうしますか。
その芸能人やタレント、スポーツ選手、自分が昔から好きなアイドルだったら、応援している選手だったら、返信してしまいたくなるのは当たり前です。
あるいは、メッセージの送り主があなたの会社の社長だったら、すぐに返信しなくては、と思うのは当然でしょう。
しかし、これは詐欺です。
この間違いを装ったメールやSNSのメッセージを使ってサクラサイトへ誘い込む詐欺行為が多発しています。芸能人やスポーツ選手から、自社の社長から、あるいは見ず知らずの人からの自分宛ではないメールやメッセージ、開かないでください。

間違いを装うメールやメッセージに要注意!

迷惑メールから始まる詐欺行為が多くの人に知られるようになり、見知らぬ人からの「元気ですか?」というメールタイトルを開ける人は少なくなってきているようですが、それでもまだこうした詐欺に引っかかってしまう人が後を断ちません。

間違いだと思われるメール、そのメールの送り主が芸能人だったら、あるいは有名な投資家からのものだったら、あなたはどうしますか。

芸能人や有名人、投資家などからの間違いメールやメッセージを装い、サクラサイトに誘導し、金銭を騙し取る詐欺行為が増加傾向にあります。私どもインサイト法律事務所の相談窓口に寄せられるものの中で今年急増しているのが、この間違いメールを装った詐欺被害の相談です。

手口は間違いメールやメッセージからサクラサイトへ誘導

間違いメールやSNSのメッセージからサクラサイトへ誘導するパターンで一番多いのが芸能人や有名人を語るものです。テレビでよく見るタレントやスポーツ選手の名前で「○○だよ!元気?」というタイトルのメールやメッセージが来たら、「もしかして本物?」「間違いかもしれないけれど、知り合えるチャンスかも!」と思って開けてしまいたくなってもおかしくありません。その送り主のタレントやスポーツ選手が応援している人だったら、なおさらです。

タレントやスポーツ選手がファンサービスの一環でSNSを始め、自身が情報発信することも少なくありません。ファンとの距離が近づいていることから、メールやメッセージの送り主が「もしかして本物かも」と思うのも当然です。詐欺師はこうした心理を巧みについてきます。しかし、そんなことはまずないと思ってください。

こうした間違いメール・メッセージを送りつけてくる詐欺グループは受け取った側の「間違えていませんか?」「人違いです」というような返信を待っています。

私どもインサイト法律事務所に寄せられた相談では多くの場合、「これも何かの縁」と、メールやメッセージ交換を始め、「事務所にバレたから」「事務所にバレると大変なことになるので」とサクラサイトに誘導されていったそうです。

手口は巧妙!異性や会社の社長・会長を装ったものも

サクラサイトに誘き出すための手法はタレントやスポーツ選手を装ったものだけではありません。

女性を騙り、同窓会の連絡を誤って見知らぬ人に送信してしまったというものでは、タレントやスポーツ選手の場合と同様のやり取りが続いたあと、「せっかくのご縁ですし」とサクラサイトへ誘導されます。一方、社長・会長を名乗るメールやメッセージでは「会長(社長)から頼まれてお金を預かっています。お渡しする方法を決めましょう」と連絡がくるパターンが見られます。この場合、人違いであることを返信すると、「個人情報の関係もあるので、秘匿性の高いサイトへ」とサクラサイトに誘導されてしまいます。

最近、見られるのが、投資家や支援家を装ったメールやメッセージ。「生活に苦しんでいる人を支援している」「投資先を探している」という内容を読んで飛びついてきた人を騙す詐欺です。

スポーツ選手を騙ったサクラサイトメールの事例

インサイト法律事務所に相談された被害者宛にきたメールをご紹介しましょう。このメールに返信してしまったことで、被害者になってしまったのです。

このメールはプロスケーターの羽生結弦さんを装ったメールでした。

「羽生です。これだけ返事がないって事は、俺が今メールしてるのは中居さんじゃなかったって事ですか?もしそうだったらほんと申し訳なさすぎるな…本当に違うならちゃんと謝りたいし、謝るにも返事がないとできないから…とにかく1通違うなら違うとお返事頂けませんか?」

そこでこの相談者は「違います」と返信してしまったことで、相手とのメールのやり取りが続き、サクラサイトへ誘導され、有料のポイントサービスで多額のお金を騙し取られてしまったのです。

サクラサイトに誘導されて200万円もの被害!

私どもインサイト法律事務所ではサクラサイトで詐欺に遭ってしまわれた方々から多くの相談を受け、返金交渉をしてきました。2022年に200万円を騙し取られた方の事例をご紹介します。

被害に遭われたのは50代の女性。ジャニーズのある有名タレントを偽る人物から間違いメールが届きました。「人違いです」という返信から、やり取りが継続。何かの縁なので、「悩みを聞いてもらいたい、相談したい」ということになり、プライベートでやり取りできるサイトで、とサクラサイトに誘導されてしまいました。この時点で女性は全く疑っていなかったといいます。

このサイトでタレントを偽る人物とのやり取りをするために課金されていたことは言うまでもありません。

サイトの中で悩み相談されるようになっていましたが、そこに今度は事務所のマネージャーや副社長を騙る人物が登場。悩み相談に載ってくれているから謝礼を払うと言われ、謝礼を受け取る手続きのためにも登録が必要などと、そこでも言葉巧みに課金が続きました。

最近のこうした詐欺メールは凝っています。出演番組を伝えてきて「明日はこっそりピースするから」などと、その立ち振る舞いにリアリティを持たせてくることがあります。

3ヶ月ほど、このやり取りが続き、課金はあっという間に200万円以上となっていました。謝礼がいつまで経っても支払われないことでおかしいと思い、ネットで調べると同様の詐欺の事例を発見。私どもの相談窓口にいらっしゃいました。

弁護士はいかにして返金交渉を行うのでしょうか?

こうした巧みな詐欺を行っているサイトの多くは海外法人が運営しているという形態になっています。この詐欺の場合、支払いはコンビニ決済とクレジットカード決済でした。私どもはこのお金の流れを追っていき、決済会社を割り出して、返金交渉を行いました。

クレジットカード決済の場合には消費者センターに行って、お金かけずに解決できる場合もあります。クレジットカード会社に連絡して支払い停止をかけ、返金手続きをとるという流れになります。しかし、この作業、決して簡単な手続きではありません。

一方、コンビニ決済の場合、個人で返金交渉を行うのは困難です。情報開示請求などの法的な手続きを行う必要があるからです。

返金交渉を個人が行うのはおすすめできません。最悪の場合、サイトを閉鎖され、逃げられてしまう可能性があるからです。まずは消費者センターや私ども法律事務所にご相談いただければと思います。

サクラサイト詐欺、どうやって見分ける?

芸能人、スポーツ選手、投資家、会長・社長、どんな人からのメールやメッセージでも、この手の詐欺で誘導され、行き着く先はサクラサイト。そこで課金されることになります。

見分け方は「課金」「ポイント購入が必要」「手続きに費用が必要」など。やり取りを行うためにお金がかかる、という時点で詐欺だと思ってください。

しかし何よりも大切なことは、知らない人、これまでに全く交流のなかった人からのメールやメッセージはできるだけ開けないことが重要です。

サクラサイトで騙された!詐欺の被害に関する相談は弁護士法人インサイト法律事務所に!

それでも、ついつい開けてしまった、サクラサイト詐欺の被害に遭ってしまった、大切なお金を取られてしまったと悩まれている方、返金を諦めないでください。騙された、と思ったら、恥ずかしい、あるいは少額だから、などと思わず、できるだけ早く相談していただきたいと思います。早ければ早いほど、詐欺で奪われたお金を取り戻せる場合があります。返金交渉がスムーズになる場合があります。

法律事務所や消費者センターには無料相談窓口や専用相談窓口を設けているところがあります。まずは相談しましょう。詐欺事件を解決していくことが、今後の被害者を減らしていくことにもつながっていきます。

私たちインサイト法律事務所にはサクラサイトに関する詐欺のほか、出会い系サイトや在宅ワーク詐欺などの解決に取り組み、返金交渉をしてきた弁護士が在籍しています。専用の相談窓口を設けており、受付時間外でも対応しております。詐欺行為に遭ってしまい悩まれている方、私どもインサイト法律事務所の弁護士にご相談ください。