セキュリティーマネー、PINを送れ!は詐欺です

お金をデータ化して専用のカードやスマートフォンで決済する電子マネー。コンビニでもカード方式のものが購入可能です。グレートインフォメーション株式会社が運営する「セキュリティーマネー」も普及している前払い、プリペイド式電子マネーの一つであり、オンライン上の有料コンテンツの購入や利用料金の支払いに利用されています。セキュリティマネーは高い匿名性とだれもが簡単に使える利便性がある一方、匿名性や利便性を悪用した詐欺で残高を騙し取られてしまうケースが見られます。「セキュリティーマネーのPINコードを送れ!」という指示は詐欺である可能性が高いので注意が必要です。

セキュリティーマネーはどんな電子マネー?

セキュリティーマネー

セキュリティーマネーは「個人情報を必要としない安全性の高いプリペイド式電子マネー」です。16ケタの数字で構成された番号「PIN」の発行・認証方式を採用しており、PCでも携帯サイトでも利用可能。セキュリティーマネーを購入する際、名前や個人情報など個人情報を登録する必要がなく、利用する際に必要なものは16ケタのPINのみ。名前や住所などの個人情報が漏れる心配がない、匿名性の高い電子マネーです。

セキュリティーマネーは2種類

セキュリティマネーには年齢認証付きの「セキュリティーマネー・ゴールド」と年齢確認が必要ない「セキュリティマネー」 という2種類があります。「セキュリティーマネー・ゴールド」は成人向けコンテンツやサービスを提供するインターネットサイトをはじめ、セキュリティーマネー加盟店全店で利用する事ができます。成人向けでも利用できることから、未成年が購入することはできません。販売店で購入の際、身分証明書などで年齢確認が行われる場合があります。

一方の「セキュリティーマネー」は購入に際して、年齢制限などはありません。ただし、ユーザーの年齢によっては購入できないコンテンツや利用できないサービスがあることに注意が必要です。

セキュリティーマネーは実店舗とオンラインで購入可能

セキュリティーマネー
コンビニのマルチコピー機で簡単に購入できるセキュリティーマネー

セキュリティーマネーが購入できる実店舗は全国のファミリーマート、オンラインではPREBOX(プリボックス)と、ちょコムショップ。ちょコムショップはPCサイトでの販売となっています。

取り扱いの金種はファミリーマートの場合、3,000円、5,000円、10,000円、25,000円。店舗内のマルチコピー機を操作して購入します。ファミリーマートではセキュリティーマネー、セキュリティーマネー・ゴールド、どちらも購入できますが、セキュリティーマネー・ゴールドの場合、身分証明書を求められる場合があります。

プリペイドサービスサイトのプリボックスはセキュリティーマネー・ゴールドが3,000円、4,000円、5,000円、6,000円、7,000円、10,000円、25,000円、50,000円、100,000円、セキュリティーマネーが3,000円、5,000円、10,000円、25,000円、50,000円、100,000円の金種を購入可能。支払いはPay-easy(ペイジー)のシステムを通じて郵便局・銀行ATMから振込むか、インターネットバンキングで行います。

また、ちょコムショップが取り扱う金種はセキュリティーマネー・ゴールドの1,000円、5,000円、10,000円。支払いの決済には本人認証サービスが使えるクレジットカードのみとなっています。

セキュリティーマネーが詐欺に利用されている

支援金詐欺サイトへの課金支払いに電子マネーが利用されることも

セキュリティーマネーには高い匿名性と利便性がある一方、この特性を悪用して行われる詐欺行為が後を断ちません。セキュリティーマネーは16ケタのPINと呼ばれるIDコードにある残高が実際の現金に相当する価値をデジタルデータとなります。この16ケタのPINがさまざまな手口で騙し取られています。インサイト法律事務所には次のような被害事例が報告されています。

悪質な占いサイトや支援詐欺サイトへの課金

セキュリティマネーは、いつでもコンビニで購入し、利用しているサイトの課金の支払い、決済に利用できる便利な方法です。しかし、非常に多く見られるのが「占いサイトのポイント料金の課金」や「支援サイトへのポイント代金」の支払いに利用されることです。

占いサイトでの「もう少しで鑑定が終了する」、支援金詐欺サイトでの「あと1回の手続きで給付される」などの言葉で利用者を急かし、1日に何度もコンビニでセキュリティーマネーを購入させ、ポイント購入で消費させる悪質サイトで数多く利用されてしまっています。

サイトへの課金や問題解決を口実に行われる詐欺

また、他にも「サポート詐欺」「警告詐欺」と呼ばれる手口で、パソコンやスマートフォンに突然「ウイルスに感染しました」「セキュリティに問題があります」といった偽の警告画面や警告音を表示させ、不安を煽ります。表示されているサポートセンターとされる電話番号に電話するとサポート担当者を名乗る詐欺師が「ウイルス駆除費用」「セキュリティソフトの購入費用」などと称して、コンビニやオンラインでセキュリティーマネーを購入してくるよう指示してきます。購入を報告すると16ケタのPINを読み上げるように言われます。PINを相手に伝えた時点でセキュリティーマネーの残高は全額、詐欺師の手に渡ってしまいます。

利用料金や会費などの架空請求詐欺

架空の請求詐欺もよく見られる手口です。「有料サイトの利用料金が未納です」「会員登録料が未払いです」といった身に覚えのない請求メールやSMSが届き、記載された連絡先に電話したり、メールしたりすると、詐欺師が「本日中に支払わないと法的措置を取る」などと脅し、セキュリティーマネーでの支払いを要求します。購入して16ケタのPINを伝えてしまうと、そのまま残高が騙し取られてしまいます。

このほか、「高額当選しました」「低金利での融資が可能です」といった誘い文句で手続きにかかる費用をセキュリティーマネーで支払わせようとする手口の詐欺もあります。

友人や家族になりすまして行われる詐欺

友人や家族のLINEやインスタグラムなど、SNSのアカウントが乗っ取られたり、あるいはその人になりすましたりした詐欺師から「お金が必要になった」「セキュリティーマネーを購入してPINを送ってほしい」といったメッセージが送られてくる手口です。この手口でも購入させた16ケタのPINを聞き出そうとしてきます。

マッチングサイトでのサクラ詐欺

出会い系サイトやマッチングアプリやマッチングサイトで利用することができます。出会い系サイトやマッチングサイトでは運営側が排除をしていても、一般参加を装ってサクラ行為を行うユーザーが紛れ込んでしまっている場合があります。また、マッチングサイト自体が詐欺グループによって運営されていることもあります。使用を継続させ、セキュリティーマネーで高額な支払いをさせたというケースも見られます。

セキュリティーマネーのPINは送らないこと!

セキュリティーマネー 詐欺
セキュリティーマネーのPINは他人に教えないことが身を守ります

セキュリティーマネーを悪用した詐欺から身を守るためには、セキュリティーマネーで支払いを要求された場合、PINを送れと指示された場合、詐欺ではないかと疑ってかかることです。次のような場合にはまず詐欺です。

  • 身に覚えのない未払い料金、使用料を請求され、セキュリティーマネーでの支払いを指定された場合
  • パソコンやスマホに表示された警告画面の連絡先に問い合わせた際、費用請求がセキュリティー、マネーだった場合
  • 友人や家族、親類を名乗る人物からセキュリティーマネーで送金するように頼まれた場合

使用料の請求のような場合やメンテナンス費用をセキュリティーマネーで支払うように指示されることはまずないと思ってください。詐欺被害から身を守るためにはPINを加盟店サイト以外で入力しないこと、他人に教えないことが重要です。

セキュリティーマネーを装ったメール詐欺にも要注意

セキュリティーマネーの運営会社は今年2025年4月、「セキュリティーマネーを装ったメールにご注意ください!」と題したお知らせを掲示して、メール詐欺に対する注意喚起を行っています。

平素はセキュリティーマネーをご利用頂き誠にありがとうございます

現在 不正にセキュリティーマネーを装った「なりすましメール」が配信されている事実を確認いたしました

「サービス仕様変更のお知らせとご対応のお願い」などの件名で
「security-m.jp サポートチーム」と表記されていますが

上記のような内容のご連絡を弊社からメールでお送りすることはございません

お客様におかれましては
このような心当たりのないメール等を受信した場合は
リンクや添付ファイルにアクセスはせずに
速やかに削除頂きますようお願いいたします

本件に関してご不明な点は下記よりお問い合わせください
https://www.gic-tokyo.co.jp/inquiry
出典:セキュリティーマネー公式サイト

このメール詐欺もなりすまし詐欺の一種です。ご注意ください。

セキュリティーマネーを騙し取られた!詐欺のご相談は弁護士法人インサイト法律事務所へ

セキュリティーマネーは16ケタのPINに金額相当の価値があり、匿名性が高く、利便性も高いため、加盟店のオンラインコンテンツ購入やサービス利用料の支払いに利用されている電子マネーです。詐欺師はセキュリティーマネーのPINを聞き出すだけで残高を騙し取ることができます。どれだけ用心していても、冷静さを欠いている時にうっかり教えてしまい、詐欺被害に遭ってしまったというケースは少なくありません。

セキュリティーマネーを詐欺被害で騙し取られてしまったかもしれないという方、購入した券を用意して、できるだけ早くインサイト法律事務所にご相談ください。

弁護士法人インサイト法律事務所の代表弁護士、大川博俊弁護士はこれまでに数多くの詐欺の事例に対応し、解決を図ってきました。電子マネーのシステムが悪用された詐欺で騙し取られたお金は全額ではないかもしれませんが、取り返せることがあります。まずはインサイト法律事務所の相談窓口へ。