ネット上で行われる詐欺行為はなぜコンビニ支払いが使われる?

ネット上にはびこる詐欺行為、その多くは「ネット副業」や「占い」「鑑定」「悩み相談」といったもので多くみられます。わたくしどもインサイト法律事務所で受けた相談の中には購入が必要な、有料のポイントを消費させるメールのやり取りを続け、それがあっという間に100万円、200万、気が付くと1,000万円を超えていたという被害例がありました。

詐欺行為を行っているサイトの運営側が振込に利用しているのがコンビニ支払いです。なぜコンビニ支払いが使われるのでしょうか。コンビニ支払いが詐欺に利用されている事例などをご紹介します。

増え続けるネット詐欺、占いサイトや副業サイトで行われる詐欺は?

「無料占い」「無料で鑑定」「金運アップ」といった占いサイト、そこに「宝くじが絶対当たる」「当選確実」というような言葉が並んでいれば、ほぼ間違いなく、詐欺行為が横行するサイトの宣伝です。宝くじが絶対に当たる占い、確実に当選できる占いはありえません。

ネット上で行われる詐欺のパターンは占いサイトの場合、「無料」という言葉で誘い込み、有料サービスへと切り替えさせるというものがほとんどです。サイト内で利用できるポイントを購入させられ、占い師、鑑定士にメールを送るたびに購入したポイントを消費させられてしまうのです。

一方、副業サイトで行われる詐欺は「サイトを利用するために登録費が必要」「研修費用が必要」「教材費用が必要」「作業のために機器が必要」といった理由でお金を取られてしまうというものです。「簡単な作業で高収入」「クリックだけで高収入」といったスマホ副業サイトには注意が必要です。

警察や国民生活センター、地方自治体などが注意喚起を行っていますが、こうした、ネットに横行する詐欺行為の被害者は増える一方です。私どもインサイト法律事務所にも毎日多くの相談が寄せられています

コンビニ支払いで1,800万円を騙し取られた詐欺の事例

コンビニ支払いで1,800万円を騙し取られてしまったという事例をご紹介しましょう。被害に遭われたのは群馬県にお住まい、83歳の女性でした。この女性は最近、スマホで変えたばかりだったそうです。操作方法も理解していない中で突然届いたのが、「3億円当選しました」というメールでした。

女性はこの当選メールを信じてしまい、当選手続きを装ったサイトに誘導されます。コンビニの電子マネーで当選金支払いのための手続き費用を支払うよう、詐欺師グループから指示を受けました。普通に考えれば、当選金を受け取るために費用が発生するのはおかしいことです。しかし、本人は当選したというメールで冷静さを欠いてしまっていました。

それまで電子マネーなど使ったこともない女性は詐欺グループから言われるがまま、サイトで教えられたように電子マネーを購入、決済を行っていきます。電子マネー収納代行の券はみるみるうちに段ボールいっぱいになっていきました。わたくしどもがご家族から相談を受けた際、確認させてもらったところ、女性が支払っていた金額は手続き代行費用や手数料として、数千円、最大で5万円というものもありました。

被害者となった女性の息子さんが実家に帰省された際、この段ボールいっぱいになっていた収納代行の券を発見。私どもインサイト法律事務所へ相談にこられ、決済代行会社と交渉となりました。処分されずに残っていた収納代行の券は1,400万円分。全額返金とはならなかったものの、900万円を返金させることに成功しました。

1,800万円ものの詐欺被害はなぜ発覚しなかったのか?

ネット詐欺の被害件数は増える一方です。そうした状況を見て、国民生活センターや消費生活センターは騙されないよう、PR活動を行っています。また、警察では各コンビニで電子マネーによる支払いを行う人に声掛けをするよう、指導しています。

しかし、詐欺行為を働く側もさらに巧妙で悪質な動きに出ています。同じコンビニで何度も電子マネーで収納代行を利用してれば、おかしいことに店員も気付くはずです。サイト側はバレないように同じコンビニを使わないよう指導していたことで発覚が免れていたのです。

詐欺業者はなぜコンビニ支払いを使おうとするのか?

詐欺業者はなぜコンビニ支払いを使おうとするのでしょうか。それは自社のサイトでクレジットカードの利用を可能にしようとする場合、特定商品取引法(特商法)という法律に基づいて、サイト運営者の情報開示が必要になるからです。詐欺を働く事業者の多くは情報開示したくない、情報開示できないため、クレジットカード決済機能を導入できないのです。

また、銀行振込みの場合、送金記録や送金先の口座番号・口座名義などが証拠として残ってしまうから、銀行振込みも導入できません。そもそも、その手の業者は金融機関に口座を持っていない、開設することができない場合もあるのです。

一方、コンビニではネットで利用できる電子マネーやギフトカードが販売されており、誰もが簡単に購入できるようになっています。コンビニ支払いで電子マネーやギフトカードを使って送金させれば、足がつきにくいのです。ギフトカードの場合にはカードを購入させて、番号を送らせるという手口が利用されています。「AmazonやApple、Google Playなどのギフトカードを購入し、その番号を教えてください」という指示がきて、それに従って番号を送ると、瞬時にカードが利用され、換金性の高い商品にされてしまうということがほとんどです。

コンビニで購入できる電子マネーにはビットキャッシュやネットライドキャッシュといったものがあります。詐欺を働いているサイトで支払いをする際、利用者自身がサイトの支払い画面で電子マネーのIDを入力したり、IDが記載された画像を送らせたりする指示が出されます。これで残高が相手にいってしまうのです。

無料占い、無料診断など、「無料」を全面に押し出して勧誘してきたサイトが「有料」サービスを強く勧め、コンビニ支払いの電子マネーによる支払いを指示してきた場合、詐欺行為を行おうとしている、と思って間違いないでしょう。

コンビニ支払いの場合は返金交渉が不可能な場合も

わたくしどもインサイト法律事務所は占いサイトや副業サイトなどで詐欺の被害に遭われた方の返金交渉をお手伝いしています。これまでに多くの返金に成功してきましたが、どうしても返金させることができなかった事例もあります。被害に遭われた方がコンビニ支払いを行っていた場合で、電子マネーの種類によっては返金してもらえない、返金が不可能なものがあるのです。

ビットキャッシュ、ネットライドキャッシュ、セキュリティーマネー、Gマネー、Vプリカといった電子マネーであれば、返金させることができるかもしれません。この場合、レシートではなく、決済した時の収納代行明細が証拠になります。ただし、こうした電子マネーの支払いは被害者自身が決済している必要があります。

しかし、ご紹介したように、Amazonギフト、Appleギフトを送ってしまった場合には返金対応してもらうことができません。また、コンビニで決済したときの券の写真を詐欺業者にLINEなどを利用して送る形で支払っている場合にも返金は不可能です。返金のプロであるわたしたちでも返金交渉ができない場合もあるのです。

一番よいのはわたしどもがご紹介している事例などを見ていただき、ネット上の詐欺に引っかかってしまわないよう、注意していただくことです。

詐欺の被害はスピードが重要!まずはインサイト法律事務所に相談を!

第二東京弁護士会に所属する大川博俊弁護士が代表弁護士を務める弁護士法人インサイト法律事務所はこれまで多くの占い詐欺の解決に向けて取り組んできた、返金交渉に強い弁護士が在籍しています。コンビニで支払い手続きを行ってしまった詐欺被害の返金交渉には迅速な対応に加え、ノウハウも必要になります。占い詐欺、スマホ副業詐欺、宝くじ詐欺などに遭ってしまった、家族が詐欺に遭っているようだ、そういう際にはインサイト法律事務所にご相談ください。相談、着手金は無料です。