年末が近づくと増える占い、メール鑑定に要注意!

宝くじの年末ジャンボ発売が近づくと、「宝くじに高額当選するための開運日は?」「年末ジャンボ、買い時は?」などのネット記事が増えます。こうしたタイミングで増えてくるのが、「あなたの開運日を占います」「運気をメール鑑定します」といったネット広告や、差出人名やメールアドレスに見覚えのない相手からの占い、メール鑑定の勧誘です。「占い」や「メール鑑定」を楽しみの一つとして利用する分には良いのですが、占いやメール鑑定といったサービスを提供する業者にはお金を騙し取ろうとする詐欺師や詐欺グループが多いので注意が必要です。

人はなぜ占いやメール鑑定を利用するのでしょうか?

メール鑑定

そもそも人はなぜ占いやメール鑑定を利用するのでしょうか。占いを利用する理由の多くは、不安や悩みを解消したいという気持ちからではないでしょうか。わたくしどもインサイト法律事務所へ詐欺被害の相談にいらっしゃる方々にお話をうかがうと、そのほとんどの方がそういった傾向だったようです。詐欺師はこうした感情を巧みに利用し、心理的に相手を操作します。

バーナム効果を悪用している占いやメール鑑定

まじめに占いやメール鑑定をされている占い師、鑑定師、サービスを提供している業者がある一方、詐欺を働く占い師やメール鑑定士もいますし、業者もあります。占いやメール鑑定を信じてしまうのはなぜなのでしょうか。

占いやメール鑑定で誰にでも該当するような「あなたはいま、心に悩みを抱えていますね」のような曖昧な問いかけに「当てはまる!」と思ってしまう、これがバーナム効果と呼ばれるものです。

バーナム効果とは、誰にでも当てはまる一般的な特徴や説明を「自分だけに当てはまる」と勘違いしてしまうという心理学の用語です。実際には誰にでも当てはまるような内容であるにも関わらず、自分だけに当てはまるかのように感じてしまうことです。アメリカの興行主でサーカスを成功させたフィニアス・テイラー・バーナムが残した「誰にでも当てはまる要点というものがある」という言葉が語源となっています。アメリカの心理学者であるポール・E・ミールがこの名付け親といわれています。同様の研究をしていた心理学者のフォアラー効果とも呼ばれています。

占いやメール鑑定での詐欺はこのバーナム効果を悪用しているのです。

占いやメール鑑定による結果は自由に操作できる

占いは科学的な根拠に基づくものではありません。占い結果に正解はありません。同じ内容を占ってもらっても、占い師やメール鑑定師によって、出てくる結果は異なるはずです。つまり、詐欺師が占い、鑑定と称して適当なことを言っても、それを「詐欺だ」と否定することができません。一方、詐欺師による占いの結果、メール鑑定結果を示された側も「本当かもしれない」という不安や期待を抱きやすいようなため、詐欺師側からするとターゲットにしやすいのはいうまでもありません。

詐欺師が占いやメール鑑定を悪用するのはなぜ?

占い

占いやメール鑑定が詐欺の温床となってしまうのはなぜでしょうか。一つ一つ、見ていきましょう。

占い師や鑑定師は身元を隠すことができます

占いにしても、メール鑑定にしても、インターネットを使ったオンライン上で行われています。占い師、鑑定師と実際に会うことはありません。匿名で、身元を隠して活動するのが容易だからです。実際、占い師やメール鑑定師の求人広告にはつぎのような言葉が見られます。

  • お顔を出して活動する必要はございません。
  • チャット鑑定のみで稼働されている占い師の方がほとんどですので、人見知りの方でも十分ご活躍いただけます。安心してご応募ください。
  • 顔出しなし、占いを撮影していただける占い師を募集

もちろん採用で顔を出すことが必須となっている業者もありますが、このように顔を出さなくてもよいとなると、占い師、メール鑑定士の人物を特定できません。加えて所在地や連絡先など、特定商取引法(特商法)にもとづく表示が正しく行われていないとなると、業者の特定も難しくなります。そのため、占いやメール鑑定で詐欺に遭われたり、トラブルに遭われたりした一般の方が相手を特定することは極めて困難だといえます。

法律的な規制が緩い、占いやメール鑑定

占いやスピリチュアル関連のサービス提供においては通信販売で必要となる特商法の表示をするなどのインターネット販売における規制以外は他のビジネス分野に比べて規制が緩いと考えられます。占い師や鑑定士などに公的な資格は必要がなく、また登録制度のようなものもありません。そのため、本人が「占い師」「鑑定士」と名乗れば、なれてしまいます。ですから、詐欺的な行為が行われても法的に追及しにくい場合があります。

また、料金設定やシステムについても決まった値段はありません。初回は無料や低価格でサービスを提供し、その後に「より詳細な鑑定が必要」と、高額な料金を請求することができます。高額詐欺の被害に遭われる方々のケースはほとんどがそのパターンです。有料だからといって詐欺だとはいえないのですが、こうした不透明な料金設定のシステムが詐欺に利用されていることから、有料というだけでまじめにサービスを提供されている占い師や鑑定士の方々まで同一視されてしまっています。

どうすれば悪質な占い、メール鑑定に引っかからないでしょうか?

占い

詐欺行為を働いている悪質な占い師や鑑定士は「あなたには重大な危険が迫っています」といった不安を煽る言葉を使ったり、あるいはその逆で「もうすぐあなたに大きなチャンスがやってきます」といった感情を高める言葉を使ったりして、高額な追加鑑定や商品購入を求めるケースが多く見られます。

不安を煽られた場合は冷静になりましょう

まず不安を煽るようなことをかけられたときには自分だけで急いで判断せず、友人や家族に相談してから行動することが重要です。また、ご家族、親類、ご友人で占いをしてもらった方が不安を口にするようなことがあれば、冷静さを保つようにアドバイスしてあげてください。その際、占い師に高額な料金や追加費用を執拗に要求されていた場合、詐欺の可能性が高いといえます。すでに多額の費用を支払っているようであれば、国民生活センターや詐欺被害の窓口を設置している法律事務所などへ相談するようにすすめてあげてください。

メール鑑定の場合、不必要な個人情報は入力しないこと

メール鑑定の場合、生年月日や住まいなどさまざまな入力を求められることがあります。詳細な情報がないと占えないということを言ってくる可能性はありますが、こうした個人情報を入力するのは極力避けた方がよいでしょう。無料占い、無料メール鑑定でメールアドレスを入力しただけだったのに、翌日から大量の迷惑メールが届いた、という事例が多数あります。悪質なサイトで詳細な個人情報を入力すればさらに悪用されることになります。

占いやメール鑑定で詐欺に遭っている? ご相談はインサイト法律事務所へ

占いやメール鑑定で行われる詐欺について、ご理解いただけたのではないでしょうか。「占い」や「メール鑑定」は楽しむ程度に利用し、過剰な期待を抱かないことも重要です。占いやメール鑑定の全て詐欺だとはいえません。無料サイト、有料サイト、まじめに運営されているところもあります。しかし、 残念ながら、詐欺行為を行われていることが多く、そういったサイト、占い師、鑑定師の方々まで同一視されてしまっています。そういった詐欺、詐欺まがいの行為に騙されないように注意する必要があります。

占い、メール鑑定による詐欺に遭ってしまったのであれば、できるだけ早く、相談にいらしてください。また周りの方の様子がおかしい、そういったときには相談に行くようアドバイスをしてあげてください。私どもインサイト法律事務所では代表弁護士の第二東京弁護士会所属・大川博俊をはじめ、 経験豊富なスタッフが一丸となって、被害者のみなさまが詐欺被害で騙し取られたお金を取り戻すための支援、業者との交渉に取り組んでいます。