競馬詐欺の立証は困難?返金も困難?返金交渉の専門家が解説!
「競馬詐欺」という詐欺行為の手口はさまざまです。「絶対に当たる」「万馬券必ず的中」などの広告・宣伝で勧誘するパターンもあれば、「すでに結果が決まっているレースがある。JRA関係者に聞いている。その情報をあなただけ特別に」というような誘い込みをするパターンもあります。勝馬投票券や万馬券的中証明書のコピー、画像などを見せて、「高額配当の当たり馬券を何度も的中させている」という広告・宣伝で勧誘するパターンもあります。こうした手法でお金を騙し取っているのが競馬詐欺です。競馬詐欺は詐欺であるという行為の立証が非常に難しいため、返金交渉も簡単ではありません。競馬詐欺の被害に遭われた方が業者に返金を求めるためにはどうすれば良いのかをご紹介いたします。
目次
競馬詐欺とはどんな詐欺?
勝馬投票券、つまり馬券に関する情報やレースの予想を提供しているのが、馬券予想会社や競馬情報会社などと呼ばれる会社です。まじめに運営している会社ももちろんありますが、その多くは詐欺行為を働いている、あるいは詐欺まがいの手口で営業している会社だといわざるを得ないという状況にあります。あたかも日本中央競馬会(JRA)と関係があるかのようにロゴマークを無断使用して宣伝しているサイトもあれば、厩舎に内通者がいるかのような宣伝を行っているサイトもあります。
こうした状況から中央競馬を運営している日本中央競馬会(JRA)のほか、地方競馬を運営する地方行政機関、全国の消費生活センター、そしてわれわれ法律事務所などが競馬詐欺に対しての注意喚起を促していますが、被害者の数は増える一方です。
競馬詐欺サイトの特徴は?
競馬詐欺を行っているサイトの特徴をご紹介しましょう。まず、「絶対」「確実」「回収率100%」といった文言を使った宣伝を行っているサイトはまず詐欺サイトだと思ってください。
競馬だけでなく、競輪や競艇、オートレースなどの公営競技で着順が決まっているレースはありません。競馬は競馬法、競輪は自転車競技法、競艇はモーターボート競争法、オートレースは小型自動車競技法で、それぞれ、関連法で、選手だけでなく、関係者も不正行為は固く禁じられており、罰則も厳しいものとなっています。
JRAは悪質な行為を行っている競馬情報提供会社への注意喚起として、次のように呼びかけています。
・JRAホームページのリンクが掲載されているからといって公認されていることにはなりません。
・JRAやJRAの関係団体が競馬を予想し、直接電話やメールなどで勧誘をすることは一切ありません。
・『絶対に当たる』情報は存在しません。
・『前もって結果が決まっているレース』は存在しません。
JRAホームページ「JRAからのお願い・ご注意 悪質な予想・情報提供業者の被害ケース」より抜粋
https://www.jra.go.jp/facilities/informations/akutoku_ex.html
JRAでは「業者を紹介するブログやサイトなどは、悪質な業者と結託して運営されていることがあります」としています。競馬情報サイトだけでなく、ブログなどについても注意が必要だと言えるでしょう。
競馬詐欺の返金が困難なのはなぜ?
競馬詐欺は私どもインサイト法律事務所のような詐欺被害の返金に取り組んでいるプロにとっても解決が簡単ではない詐欺行為です。というのも販売した会社と被害者の間で競馬情報としての売買が成立してしまっているからです。業者側に返金を求めるには販売行為が詐欺であったこと、販売された情報が偽りの情報であったこと、など、業者によるさまざまな行為の違法性を立証していく必要があります。このことが他の詐欺被害よりも難しく、返金を困難にしています。
返金には競馬詐欺の立証が必要
競馬詐欺は詐欺行為の立証と返金交渉が難しいため、被害者は増える一方です。競馬詐欺の被害に遭われた方が返金を求めるためにはご自身も証拠の保全を行う必要があります。では一体どういったものが証拠となるのか、どうやって保存すべきか、を解説していきます。
違法性の有無を確認するための証拠は?
競馬詐欺を行った競馬情報会社へ返金を求める場合には「どのような勧誘があったのか」「情報料、情報の対価としていくら相手に支払ったのか」「どのような内容の情報が提供されたのか」、そして「情報の結果、どうだったのか」「当たったのか外れたのか」「レース結果」などをまとめておく必要があります。こうした証拠を見て、私どもはそれぞれの過程で違法性があったのかどうかを確認していきます。
業者が被害者に対して行ったことにおける違法性を見ていく中で、特に重要となるのが勧誘部分、勧誘のプロセスです。勧誘でどんなことを言っていたのか、どんな内容のメールやメッセージを送ってきていたのか、ということです。
競馬詐欺における違法性のある証拠の事例
ではどういった勧誘が違法性のある証拠となるのでしょうか。競馬詐欺の被害に遭い、相談にいらっしゃった方の一例をご紹介すると、次のように勧誘していたそうです。
・出走前から着順が決まっている八百長レースがあるので、指示通りに買えば当たり馬券になる
・当社はJRAの関連企業。JRAがあなたを特別な人物として選んでいる
業者側はこういったあり得ない、信じがたい話で被害者を騙していたといいます。嘘・偽りで勧誘していますから、違法性がある勧誘方法の証拠になりますし、詐欺を立証するために重要な役割をはたします。
競馬詐欺の返金で行っておくべき証拠保全は
では競馬詐欺の立証で違法性のある証拠をどのように保全すれば良いのかをご紹介していきたいと思います。
まず、業者からのメールやメッセージはデータをダウンロードする、あるいはスクリーンショットを撮ってファイルで保存してください。勧誘の際のパンフレットやチラシ、郵便物なども業者から送られてきたものが保存してあれば、証拠として利用できる可能性があります。まとめておきましょう。
相手との電話による会話は録音されていれば良いのですが、多く場合、業者を信じて、申し込まれていたのですから、録音データなどはないだろうと思っております。しかし、電話で業者と話した内容を走り書きしたメモやノートにまとめられたものも証拠として利用できることがあります。実際、私どもインサイト法律事務所で返金交渉を行った場合、こうしたメモやノートが有効となったこともありました。
競馬詐欺の返金は諦めないことが大切
また、私どもで返金交渉を行った事例の中には被害に遭われた方が亡くなられた場合でも、メモやノート、銀行口座での出金記録など、ここで紹介したようなものが証拠として残されていたことによって、返金請求を行うことができて、解決に至ったという事例もあります。
競馬詐欺の返金交渉は大変難しいのですが、詐欺に遭われた際のメモ、走り書き、業者から送られてきた資料、パンフレット、情報と関連性のあるレース結果など、集められるだけ集めていただきたいと思います。その中で業者が違法性のある勧誘方法や嘘・偽りの情報を提供したとすれば、それらを詐欺行為として立証し、返金請求をかけることができる場合もあります。どんな状況であっても競馬詐欺で騙し取られたお金の返金を諦めないでほしい、競馬詐欺の被害相談窓口を開設している消費生活センターや私どものような法律事務所へいらっしゃっていただきたいと思います。
競馬詐欺に遭ってしまった!返金して欲しい!ご相談はインサイト法律事務所へ
わたくしども弁護士法人インサイト法律事務所には、代表弁護士の第二東京弁護士会所属・大川博俊をはじめ、各種詐欺に遭われた被害者を救済するべく、返金交渉に取り組んできたスタッフが在籍しています。競馬詐欺はもちろん、副業詐欺や占い詐欺など、さまざまな詐欺の被害に遭われた多くの方々に代わって、返金交渉に携わっています。ご自身はもちろん、ご家族やご親戚が詐欺被害に遭ってしまった場合、できるだけ早く相談にいらっしゃっていただければと思います。占い詐欺で騙し取られたお金は取り戻せる可能性があります。決して諦めないでください。着手金は無料です。