占い詐欺3件の解決事例から見る注意点

インサイト法律事務所はこれまでに多くの占い詐欺被害の相談を受けてきました。ここでは解決した3件の事例をご紹介します。そこには占い詐欺に共通する特徴があります。いまご利用されている占いサービスに似た点があればご注意ください。それは占い詐欺かもしれません。

占い詐欺事例1:スマホで占いしたばかりに消費者金融で借金

占い詐欺のほとんどは「金運」に関わるもの

最初に取り上げるのは2024年に発生した占い詐欺事例で、スマホで占いを利用し、業者に騙され、消費者金融で借金までしてしまったという被害者からの相談でした。被害者はスマホで占いを探し、見つけたところにアクセス。返信に従い、占い詐欺業者のLINEアカウントを登録させられました。

詐欺でよく利用される占い業者からの誘い文句

占い詐欺を行う業者は巧みに心理誘導を行います。今回使われた誘い文句は次のようなものでした。

「誰もがこの様なチャンスがある訳ではなく、あなただから。特別な人で守護霊にこんなに愛される人はいない」
「守護霊から贈り物を授かることができて、幸せになれる。私が導くと、これからはお金に何一つ不自由なしに生涯過ごせる」

占い詐欺業者によって言い方は変わりますが、内容はほぼ同じです。

決済に使われるのは電子マネーやクレジット代行業者決済

占い詐欺の決済で利用されるパターンで多いのはコンビニなどで購入できるプリペイド型電子マネーです。中にはECショップや会費・月謝などのクレジットカード決済代行サービス会社を利用しているケースも見られます。詐欺でトラブルを起こしている企業が大手クレジットカード会社と直接契約することは困難だからです。この事例の被害者も占い詐欺サイトからの指示にしたがい、決済代行会社を通じてクレジットカードで支払っていました。

占い詐欺事例2:金運占いで騙され健康被害も

ロトやジャンボなど宝くじが必ず当たる方法はありません

次に取り上げるのは2020年に発生した占い詐欺事例です。被害者は子どもの友人の母親から届いたLINEをきっかけに、ゲームや占いの広告を見て、詐欺に遭った占いサイトを見つけ、信じてしまったのです。占いのために消費者金融で借金までしてしまいました。

宝くじが当たるよう運を引き寄せる

この占い詐欺で業者は「ロト6、ロト7、ハロウィンジャンボ等が当たる様にする」「運を引き寄せる」「必ず宝くじを当選するようにする」と勧誘しました。「必ず当たる」は当選確率が100%であることを意味します。しかし、宝くじが必ず当たるようになる方法は存在しません。消費者を騙す景品表示法違反(不当表示)になります。

また、虚偽の事実を告げる「欺罔(ぎもう)行為」、嘘を信じて金銭を支払ってしまう「財産的処分行為」、金銭を支払っても約束された当選金が受け取れないという「財産上の損害」によって、刑法第246条の詐欺罪に該当する可能性があります。

まれに見る金運の持ち主、もったいない

金運やギャンブルなどの占い詐欺で騙される人の多くが「あなたはまれに見る金運の持ち主」「これを逃すともったいない」「できる人にだけお話しします」といった言葉を信じてしまいます。この被害者に来たものはまさにその言葉でした。占い詐欺を行っているサイトは「金運」「高額当選」「もったいない」などのことばで射幸心(しゃこうしん)を煽ります。

「呪文や言葉を送れ」は占い詐欺の典型

詐欺を行っている占いサイトでは有料のポイントを購入させます。占い師や鑑定師を名乗る人物から「呪文をメールで送れ」「この言葉をメールで送れ」という指示がきます。指示通りメールを送る際、このポイントが必要になります。繰り返し送り続けさせるため、「あと少し」「あなたはできる」「あなたならできる」と、いつまでも占いを続けさせます。被害者が疑い始めると、別の占い師や鑑定師を名乗る人物が登場します。この被害者の場合、3人の占い師・鑑定師が登場していました。詐欺に気が付いた被害者は精神的にだけでなく、体調も崩してしまいました。

占い詐欺事例3:占い詐欺師はこうしてあなたを勧誘する

聞いたことがない占術名を出してくるのは占い詐欺でよく見られるパターン

最後に、ネットの詐欺被害関連の投稿欄にあった文面が、自身に届いていたものと同じだったことから騙されていることに気付き、相談に来られた被害者の事例をご紹介します。この方も「ゴールは目前」「あと一歩」が何度も続いたことで不審に思われたそうです。

100人に1人の運勢、完全無料で鑑定

被害者が占い詐欺にハマっていったきっかけはこんなメールでした。

「初めまして、私は[占い師名]と申します。あなたをやっと見つけました。あなたは、100人に1人居るか居ないかの運勢の持主です。私が独自に編み出した[占い師名]式白龍水晶術の水晶術を使い、2日間完全無償にて鑑定させて頂き、『未来金』の覚醒に成功した暁には150ptプレゼントさせて頂きます。「金運」と「未来幸」を最大限に引き出し、何不自由ない理想の未来を想像し、「寿天」と心で唱え、私宛てにお送り下さい。水晶に私の念を込めた白龍を浮び上がらせ、あなたの念とリンクさせて鑑定結果を導きます。「百発百中」の[占い師名]が、[占い師名]式白龍水晶を使えば「億超え資産」を手にするのは何も難しい事はないでしょう。「天来金」を持ったあなたにとって奇跡が奇跡を呼んで【ロト6・ロト7・ジャンボ・投資・ギャンブル】なんであれ億超え資産を掴めるでしょう。宝くじ高額当選があなたを待っています。私に任せて下さい。必ず幸せにしてみせますから着いて来て下さいね。」

多くの占い詐欺サイトが「完全無償」を入り口にするパターンをとっています。

宝くじ当選も、もう手の届く所へ来ています

占い詐欺ですから、手が届くことはありません

このメールも実際に来たものです。

「[鑑定師名]式共感覚未来占術で鑑定師をさせて頂いてます[鑑定師名]と申します。当選おめでとうございます。あなたの強い金運と特別な力が私を惹き寄せ、私と出会えた事であなたの未来は約束されたも同然です。あなたは『億万の財』の占術を進める事で溢れんばかりの笑顔を生み出してくれるはずです。あなたは『億万の財』を授かる権利を獲得しています。これから手にする成功にはそれだけの価値があります。宝くじ当選も、もう手の届く所へ来ています。『億万の財』を掴んで、幸福な人生をスタートさせましょう。あなたなら出来ますよ。」

全く同じ文章ではありませんが、似通った内容で、当選をうたい、有料鑑定へ誘導し、根拠のない「強い金運」「特別な力」のような言葉で高額の支払いをさせる手法は占い詐欺でよく見られるものです。

解決率99.9%の実績、宝くじ等高額当選する占術

このサイトでは退会しようとすると、別の鑑定師・占い師を名乗る人物が登場してきます。被害者にきた3つ目のメールは次のようなものでした。

「ご存知でしょうか。あなたは、生涯で使い果たす事が不可能であろう程の「金」を手に出来る運気を持っています。
初めまして、「[鑑定師名]流変気占術」を使います[鑑定師名]です。 〜中略〜 あなたの運気がどれ程、凄いか、どんなに少なくとも7億、多くて10億以上を手に出来る運気を持っています。 あなたの“使い果たす事が出来ない程の「金」を手に出来る運気を”開花させ、本来の力を発揮させれば、一瞬にして現在の生活から一転し良い方向へと180度変わりますよ。 それ程、強い運気をあなたは内に秘めているのです。
〜中略〜 私は今まで『宝くじの当選』『借金返済』『事業の成功』『願いの成就』などの依頼を受け、その解決率は《99.9%》の実績があります。 今では、金運系の鑑定は絶対誰にも負けないと言う自信があります。
〜中略〜 あなたの運気は「封気鎖線」で強く固く縛られている状態です。 取り除き、天全運開放し、宝くじ等高額当選を果しましょう。 私が必ず、あなたを幸せにしてみせますからね。 あなたなら必ず幸せを掴めると確信していますよ」

根拠のない実績数字ですが、ご自身が不幸、不満を感じて、藁をも掴みたい、そういう状況においてはこうした言葉も信じてしまうのです。

占い詐欺、3つの事例の共通点

占い詐欺は連絡ツールにLINEやメールを悪用

占い詐欺を行っているサイトには多くの共通点が見られます。今回紹介した3つの事例にもその共通点が存在しています。

連絡手段が「閉鎖的」かつ証拠が残りにくい

占い詐欺サイトの運営者は責任追及を避けるため匿名性を保つ構造となっています。利用者がサイト側と連絡を取る手段をLINEまたはメールなどの個別連絡だけにしているということです。この3つの被害事例でもLINEとメールが使われています。また、連絡先を調べても、運営会社の登記情報や公式サイトなどが出てきません。

占いサービス、サイトを提供している事業者は通常、次のような情報を公開しています。

・会社所在地
・電話番号
・メールアドレス
・代表者
・特定商取引法(特商法)表記

正規のサービス提供事業者であれば特商法に基づく表示が必要です。これがなければ詐欺だと思って間違いありません。

「特別感」と強調する心理誘導

ほぼすべての占い詐欺サイトに共通している特徴が「特別感」を強調し、煽る心理誘導です。今回の事例にも次のようなものがありました。

・ 「あなたは100人に1人の運勢」
・ 「まれに見る金運の持ち主」
・ 「選ばれた人」
・ 「守護霊に愛されている」
・ 「出来る人にしか言わない」
・ 「あなたの運気がどれほどすごいか」

これは心理学でいう「選民意識の形成」「特別感マーケティング」と呼ばれるものです。人は「自分だけ特別」と言われると判断力が低下します。このマーケティング方法を悪用し、被害者に特別性を認識させることで、判断能力を低下させ、信頼関係を形成して詐欺を行っています。

巨額の金銭利益を保証・断言

将来の利益保証は景品表示法・詐欺罪に該当しますが、今回紹介した3つ全ての事例に登場します。

・宝くじ当選
・億単位の資産
・生涯お金に困らない
・金運覚醒

ここまで払ったからやめられない

サンクコスト(埋没費用)効果とは投資した時間・金銭・労力が回収不可能(サンクコスト)であるにもかかわらず、それを惜しんで、不合理に投資や事業を継続してしまう心理的傾向のことです。損失を確定させたくない、もったいないと思ってしまう心理から、結果として損失を拡大させてしまう状況に陥ってしまいます。占い詐欺の被害者は「ここまで払ったからやめられない」と思い、課金を続けてしまったケースがほとんどです。

今回の事例でもこの手口が見られます。

・ 「もうすぐ鑑定完了」
・ 「最後の儀式」
・ 「封印解除まであと一歩」

ゴールが意図的に先延ばしされ、ここまで払ったから最後まで行きたい、払った分を取り戻したい、そういう心理が働き、被害を拡大させてしまったのです。

見たことも聞いたこともない「占術」名称

占い詐欺では見たことも、聞いたこともないオリジナル名称の占術、鑑定を使用します。今回の事例では次のような「占術」「用語」がでてきています。

・白龍水晶術
・共感覚未来占術
・変気占術
・白龍水晶
・封気鎖線

いずれも専門性を装うための造語ですが、検索しても、そのサイト以外では出てこないでしょう。もちろん科学的根拠は全くありません。

占い詐欺の典型的な流れとは

占い詐欺のシステムはいずれのサイトもほぼ同じ流れで課金させ、お金を騙し取ります。

1・無料または特典を入り口として占い詐欺サービスに誘導
2・特商法などを表記せず、運営者の実体情報を隠した匿名性
3・科学的根拠のない独自占術を権威付け
4・特別扱い、特別感マーケティングの悪用による心理的囲い込み
5・宝くじの高額当選、金運成功など将来の利益を保障
6・完了時期を曖昧にした占い、鑑定ゴールの先延ばし
7・サンクコスト効果を悪用した継続的課金

こうした占い詐欺の流れは霊感商法でも見られる要素です。この中にいくつかあてはまるものがあれば、それは占い詐欺である可能性が高いといえます。占い詐欺かもしれない、騙されているかもしれないと、少しでも疑いを持たれていらっしゃれば、インサイト法律事務所へご相談ください。