コンビニ支払いで、の指示は詐欺の可能性あり!
コンビニには「収納代行サービス」という仕組みがあります。電気やガスといった公共料金、税金のなどのような私たちの生活に欠かせない料金の支払から、オンラインゲームの課金、さらにはオンラインサービスで利用する電子マネーのチャージといったことの支払いまでもが可能です。コンビニ支払いのシステムは非常に便利なのですが、その便利さを詐欺に悪用する事例が数多く見られます。
目次
詐欺で利用されるコンビニ支払いのシステム

コンビニ支払いのサービス自体は私たちの生活を豊かにする非常に優れたものですが、その裏側には常にリスクが存在しています。どんな手口で詐欺にひっかけ、コンビニで支払わせようとするのか、その事例をご紹介します。
コンビニの「収納代行サービス」を悪用
詐欺師側は騙す相手に対して「有料動画サイトの未納料金がある。支払わなければ訴訟する」といった内容の、半ば脅すような強い口調による嘘のメールやメッセージを送りつけ、収納代行サービスで利用される番号への支払いを要求します。コンビニは24時間年中無休で営業しているため、騙された側は即座にコンビニへ向かい支払うことができます。レジや店内の端末でその番号に支払うと、詐欺師側が利用したサービスの決済に充当されてしまうという仕組みです。
電子マネーやギフトカードを購入させる
コンビニではVプリカやネットライドキャッシュ、Gマネーといった電子マネーやアップル・ギフト・カード、グーグル・ギフト・カードといったプリペイドカードの購入が可能です。コンビニ支払いで電子マネーカードやギフトカードを購入させ、その裏面に記載されているカード番号を写真に撮って送らせたり、メールやメッセージで聞き出したりする手口です。詐欺グループ側は聞き出したカード番号を使ってオンラインショッピングをしたり、専門の買い取りサイトで換金したりします。一度番号を教えてしまうと、その価値は犯人に移転してしまいお金の流れを追跡して取り戻すことが非常に難しくなります。取り戻すことは極めて困難です。
コンビニ支払いが利用された詐欺の事例
サポート詐欺
パソコンでインターネットを閲覧中に、突然「ウイルスに感染しました」というニセの警告画面と警告音が表示されます。表示されたサポート窓口に電話をすると、片言の日本語で「遠隔操作でウイルスを駆除します。サポート料金が必要です」「システムを修復します」と言われ、「近くのコンビニで電子マネーを購入し、裏面の番号を教えてください」と指示されます。もちろん実際には感染していませんし、システムも壊れていません。こういった表示や警告音が出ると不安を感じるのですが、不安感を抱かせ払わせるのが詐欺の手口です。無視しましょう。
なりすまし詐欺
よく見られるパーンがなりすましです。LINEなどのメッセージアプリで、友人や家族のアカウントを乗っ取り、「急いでいるんだけど、代わりに電子マネーを買っておいてくれない?後で必ず返すから。買ったら裏面の番号の写真を送って!」などと、なりすまして依頼してきます。コンビニ支払いの場合、電子マネーを購入させ、犯人は相手に口座情報などの情報を明かすことなく金銭を騙し取ることができます。
悪質な出会い系や占いサイトでの詐欺
このほか、出会い系サイトや占いサイトで「メールのやりとりを続けるためにはポイントが必要」「鑑定を続けるためのポイントを必要」と、サイトで利用する有料ポイントを購入させるためにコンビニ支払いを使わせたりするケースはよく見られます。また、出会い系で愛情があるようなそぶりで近づき、騙す相手が気を許したところで「よい投資先があるから一緒に投資しよう」「共同購入しよう」と誘い、電子マネーで支払わせたり、といったパターンもあります。
コンビニ店員が説得して詐欺を防いだ事例も

コンビニ支払いを悪用した詐欺は後を絶たず、最近も新聞社やテレビ局、警察から多くの事例が報道・発表されています。フジテレビが2024年2月、福岡県警の公開した防犯カメラの映像を交えて行った報道は手口が非常によくわかるニュースでした。
ネット通信料の未払い分、支払わなければ裁判!
事件が発生したのは福岡県久留米市。50代男性の元に「NTTファイナンス」を名乗る者から電話があり、「ネット通信料に未払いがある。支払わなければ裁判になる」と脅されたのです。詐欺師側は「30万円分の電子マネーをコンビニで購入し、支払えば料金の95%は後で返す」と指示。
男性がコンビニで高額の電子マネーを購入しようとしたため、不審に思った女性店員が「詐欺です」と声をかけましたが、詐欺師の話を信じ込み、「裁判になると言われた」と主張。店員が約10分間にわたり粘り強く説得を続けた結果、詐欺であることを理解し、この男性は被害を免れました。
・実在する大企業の社名を騙る
・「裁判になる」と不安を煽り、冷静な判断をできないようにする
・「後で返す」と高額な支払いを躊躇させないようにする
このパターンはコンビニ支払いを悪用した詐欺でよく見られるパターンです。ご注意ください。
なぜコンビニ支払いが詐欺に利用されるのか?
なぜコンビニ支払いが詐欺に利用されるのでしょうか。コンビニ支払いで「私たちが享受している利便性」と「詐欺グループにとっての悪用のしやすさ」は表裏一体の関係にあるからだといえます。
手軽でスピーディーなコンビニ支払い
コンビニはどこにでもあり、24時間営業がほとんどです。そのため、誰もがいつでもどこでもコンビニの端末やレジで簡単に支払いをできてしまいます。この便利な点を悪用し、脅したり、焦らせたりして、騙している相手に対して考える時間や誰かに相談する時間などを与えなければ、支払いさせやすいと考えられているからです。詐欺師にとっては騙す相手の生活圏にあって、なおかつ夜間や休日でも犯行を完結させられるのは好都合、となってしまうのです。
心理的なハードルが低いコンビニ支払い
コンビニにはアップル・ギフト・カードやグーグル・ギフト・カード、電子マネーなどの販売用カードが置かれたラックがあり、多くの人が利用しています。そのため、売る側も買う側もコンビニ支払いに対して心理的なハードルが低くなっているという状況にあります。詐欺師にとっては騙す相手に複雑な操作をさせる必要がなく、「レジで見せるだけ」と簡単な指示で済みます。金額が極めて大きいようなことでもなければ店員も気が付きにくいという状態にあります。しかし、最近は報道も多く、フランチャイズの本部からの通達などもあって、店員も意識はしており、不審に感じた際には声がけも行われています。
高い匿名性、即時利用・換金可能
カード形式の電子マネーやギフトカードを買うだけであれば、利用者にとってはラックからカードを取り、レジに行き、現金で支払えばそれで終わりです。購入者の名前を聞かれることはありません。一方、詐欺師にとっては銀行口座を介すことなく、メールやメッセージでカードの額面と同じ価値のあるカード番号を受け取るだけです。詐欺師は受け取った番号を使い、身元を明かすことなくオンラインで即時利用・換金してしまうのです。
コンビニ支払いを利用した詐欺に遭わないためには

コンビニの店頭や銀行のATMの前、テレビや新聞、行政のウエブサイト、あらゆる場所で詐欺に対する注意喚起が行われています。くどいようですが、こちらでも詐欺に遭わないための注意点を挙げます。
・「電子マネーを買って番号を教えて」は全て詐欺と疑ってください。正規の取引でこのような支払いを要求されることはまずありません。
・「電話を切らずにコンビニへ」と言われたら、それは詐欺です。
・「支払番号を伝えるのでコンビニで払って」という身に覚えのない請求も詐欺です。
・突然の警告画面や請求に慌てて連絡・支払いをしないでください。
・見覚えのないメールアドレスや電話番号からのメール、ショートメッセージは開かない。
・知らない番号からの電話に無理に出る必要はありません。重要な用件であれば、留守番電話にメッセージが残ります。
コンビニ支払いで詐欺に!インサイト法律事務所にご相談ください
利便性の高さから私たちの生活で当たり前のように使っているコンビニ支払いですが、そのコンビニ支払いを悪用した詐欺は増える一方です。コンビニ支払いによる詐欺被害の返金交渉は私たち返金のプロであっても簡単でありません。インサイト法律事務所では代表弁護士の第二東京弁護士会所属・大川博俊をはじめ、経験豊富なスタッフが一丸となり、コンビニ支払いで被害者になられたみなさまが騙し取られてしまったお金の返金交渉に取り組んでいます。