
占い詐欺の被害 相談先は高い返金率の法律事務所へ?
占い詐欺の被害に遭った被害者の方が100万円以上も騙し取られた方から数万円、数千円騙し取られた方まで、みなさんが願うのはいうまでもなく返金です。一刻も早く返金して欲しい、全額返金して欲しい、そう思われるのは当然のことでしょう。被害者が相談先を選ぶ際、気になるのが「返金率」でしょう。法律事務所や認定司法書士事務所の中には「高い返金率」「戻ってくる可能性が高い」といったものから、「返金率約70%」などのように具体的な数字を挙げてPRしているところがあります。しかしインサイト法律事務所では返金率をうたっていません。なぜなのでしょうか。
返金率の考え方は二つ

「高い返金率」を大々的にPRしている法律事務所や認定司法書士があります。しかし、その数字だけを根拠に信用してもよいのでしょうか。しかし、返金率には二つの解釈があり、広告では意図的に曖昧にされているケースが多く見られます。返金率について見ていきましょう。
金額ベースの返金率「被害額のうち、何パーセント取り戻せるか」
金額ベースの「返金率」は被害額のうち何パーセントを取り戻せたのか、取り戻せるのか、という考え方です。例えば被害額100万円のうち、80万円が戻ってくれば返金率は80パーセントとなります。
しかし、この返金率を事前に約束することは不可能です。返金される金額は、詐欺師側が資産をいくら持っているか、口座が凍結できるか、交渉や裁判がどう進むか、など多くの不確定要素があります。占い詐欺は個別の案件ごとに状況が全く異なります。「当事務所なら平均80パーセント回収できます」といったような宣伝は、依頼者に対して過度な期待を抱かせる不誠実な広告だといえるのではないでしょうか。
件数ベースの返金率「依頼された案件数のうち、何パーセントで返金が実現したか」
件数ベースの「返金率」は返金交渉を行った結果、何件を返金させることができたのか、という考え方です。この考え方は極端な事例ですが、被害額が100万円で交渉の結果1円でも取り戻せれば、返金に成功したこととしてカウントされることになります。100件の依頼を受け、返金させることに成功した80件が極端な事例ばかりだったとしても、成功率は80パーセントとなります。広告でうたわれている「返金率」はこちらの意味で使われていることが多いのですが、この数字も金額ベースの返金率と同様で、事務所の信頼性を測る指標としては不十分です。
受任する案件を選別すれば返金率はアップ
占い詐欺は返金交渉が難しいので、容易そうな案件ばかりを選んで受任し、少しでも難しい案件となれば断るという方針で運営すれば、見かけ上の「返金率」を高く見せることができます。本当に助けを必要としている困難な案件を扱っているかどうかが分かりません。しかし、これでは弁護士も被害者を騙していることになってしまいます。
占い詐欺は返金交渉が困難です
占い詐欺の返金交渉は非常に困難です。それは占いというサービスの特殊な性質と、詐欺師側の巧妙な手口が絡み合っているからです。
その占いが詐欺であることの立証が難しい
詐欺の立証、これが返金において最も根本的で大きなハードルとなります。占いには決まったサービスの形がなく、「鑑定」や「祈祷」、あるいは「アドバイス」といった行為です。商品であれば「壊れていた」、決まった形のサービスであれば「提供されなかった」という明確な不履行を主張できます。しかし占いの場合、詐欺師側は「アドバイスは提供した。結果が出なかったのは本人の努力不足」「状況が変化した」などのように反論する余地を与えてしまいます。
支払いに同意していたという扱いになることも
占い詐欺では一度に大金を支払うのではなく、何度にもわたって自発的に支払いを続けてしまうというケースがほとんど。「あと少しで幸運期に突入する」「高額当選が目前」などの言葉に騙されてしまったとはいえ、客観的には「本人が納得して対価を支払っていた」と見えやすく、詐欺師側も「同意の上での契約だった」と主張しやすくなります。
身元を特定させない占い詐欺業者
占い詐欺を専門とする業者は、摘発や返金を免れるためのノウハウを持っています。サイト上の占い師を名乗る人物の名前は偽名だったり、運営会社の情報も海外の法人だったり、架空のものであったりすることがほとんどです。連絡先もすぐに変更できる携帯電話やフリーメールのみ。オフィスもバーチャルオフィスを利用しているケースが多く見られます。占い詐欺を行った業者の身元をたどることは極めて困難です。また、ある程度の金額をだまし取ると、ウェブサイトやSNSアカウントを突然閉鎖し、連絡が一切取れなくなることもあります。
騙し取ったお金は即座に口座移動されてしまう

占い詐欺を働く業者はお金を騙し取る際、他人名義の口座、いわゆる「飛ばし口座」が使っていることが多く、口座名義人をたどっても主犯格には行き着きません。また、占い詐欺で騙し取ったお金は、すぐに別の口座へ移されたり、引き出されたりします。弁護士が介入して口座凍結の手続きを取る頃にはすでに残高がゼロになっているケースも多く見られます。
また、最近はApple Gift Card、Google Play Cardなどのようなギフトカード、ビットキャッシュやネットライドキャッシュのような電子マネーで騙し取るケースも増加傾向にあります。相手にコードを伝えてしまうと、すぐに換金され、追跡はほぼ不可能になってしまいます。警察や弁護士が介入しても、取り戻せる可能性は極めて低いというのが現状です。
自身でできる返金の可能性を高める方法

騙し取られた方からすると、とにかく金額ベースの「返金率」、返金してもらえる可能性、この二つを高めたいのはいうまでもありません。そのために、被害者はどうすべきなのでしょうか。
まず行うべきなのは相談窓口へ向かうこと
占い詐欺に遭ったと気付かれたとき、まず被害者が相談できる窓口を開設している国民生活センターや法律事務所などへ迅速に向かってください。重要なのは迅速な行動です。
例えばクレジットカード決済が行われている場合、交渉が早ければ決済の取り消しを求めることができます。また、特商法に基づいてクーリングオフ期間が設けられていれば、本来、契約の申し込みや締結をした場合でも、再考できるようになっています。期間中であれば、無条件で契約の申し込み撤回や解除ができる場合もあります。
クレジットカード決済にしても、クーリングオフにしても、迅速な対応が必要です。騙されたのではないかと気が付いたときには即座に相談窓口へ行ってください。
占い詐欺の証拠を保全すること!
占い詐欺の返金を迅速に行い、少しでも返金率を高めるためには勧誘やその後の業者側の対応に違法行為があったことを明らかにする必要があります。そこで重要になるのが証拠保全です。以下のようなものを証拠にできる場合があります。
・勧誘されたサイトをスクリーンショットなどの機能をつかって画面撮影し、保存
・サイトのメッセージ機能でやりとりをしている場合、画面を撮影し、保存
・メールでのやりとりを保存
・郵送で送られてきた書類やチラシなどがあれば保管
・銀行への振り込み明細、コンビニでの電子マネーの決済明細、クレジットの決済記録を保存
業者側は証拠を残さないよう、口頭や電話での勧誘に切り替えているケースが増加しています。電話を同時録音している人はほとんどいらっしゃいません。しかし、電話による勧誘でメモを残していれば、それが証拠になることもあります。
ご自身が被害にあった占い詐欺に関わるメモや記録はすべて証拠にできる可能性があります。証拠になるかどうかは専門家の判断になります。迅速に相談窓口へ行くことをお勧めするのはこういった理由からです。
こんな広告には注意が必要!

高い返金率の広告は、不安で藁にもすがりたい被害者の心理につけ込むマーケティング手法である可能性があります。以下のような点をうたう法律事務所や認定司法書士事務所には特に注意が必要です。
- 「必ず取り戻せる」「返金保証」など、断定的な表現を使っている
- 相談を急かし、契約を焦らせる
- 着手金など弁護士費用についての説明が不透明
- 具体的な解決策やリスクについての説明が乏しい
「返金率」は、あくまでも集客のためのキャッチコピーであり、事務所の能力や誠実さを証明するものではありません。詐欺を働いた業者との返金交渉は非常に困難です。そのため、厳しい現実やリスクも含めて誠実に説明してくれるような弁護士を見つけることが大切です。
インサイト法律事務所は返金率を掲げていません
インサイト法律事務所は金額ベース、件数ベース、いずれの「返金率」も掲げていません。なぜなら占い詐欺における事例のパターンは被害額、相手の手口など、被害に遭われた人数だけありま、交渉の難易度はそれぞれですし、返金額も事例ごとに異なります。そのため、十把一絡げにして、具体的な数字などで返金率を掲げることはできないと考えるからです。
占い詐欺に遭われた被害者を救済するべく、インサイト法律事務所では代表弁護士の第二東京弁護士会所属・大川博俊をはじめ、経験豊富なスタッフが一丸となって、被害者のみなさまの占い詐欺で騙し取られたお金の返金交渉に取り組んでいます。
インサイト法律事務所の費用は完全成功報酬で、返金額の33%のみとなっています。業者との交渉では返金額(返金回収率)が少しでも増額するよう常に最後まで粘った交渉をさせていただいています。