アップルギフトカードで支払って、は詐欺!返金の可能性は?

Apple製品の購入、Apple製品向けアプリの購入、アプリ内の課金、Appleが販売しているデジタルコンテンツのサブスクリプション購入などに使えるプリペイドカードが「アップルギフトカード(Apple Gift Card)」です。支払い先がAppleに限定されているため、Apple以外の支払い先から「アップルギフトカードで」という依頼があれば、それは間違いなく詐欺です。ご注意ください。

アップルギフトカードとは?

アップルギフトカード
コンビニのプリペイドカードスタンドには多くのカードが並ぶ

アップルギフトカードは、Appleが発行しているプリペイドカードです。以前はアプリや音楽用の「App Store & iTunes ギフトカード」、製品購入用の「Apple Store ギフトカード」の2種類が存在していました。現在はどちらでも利用できるアップルギフトカードに統一されています。

アップルギフトカードの用途

アップルギフトカードは現金と同じように使える便利なカードですが、利用先はApple関連の支払いに限定されます。Appleが税金や借金の返済、公共料金などの支払いにアップルギフトカードを要求することは絶対にありません。Apple以外から「アップルギフトカード」による支払いを求められた場合、詐欺だと疑うべきなのは支払い先がAppleに限定されているからなのです。

アップルギフトカードはiPhone, iPad, Mac, Apple Watchなどのデバイス、AirPods, ケース, ケーブルなどのアクセサリ類を購入する際、Appleのオンラインストアや直営店のApple Storeで支払いの際、利用できます。また、デジタルコンテンツやサブスクリプションの支払いで利用できるのは、有料アプリの購入やアプリ内課金、Apple Music, Apple TV+, iCloud+などの月額料金、iTunes Storeでの音楽や映画の購入・レンタル料金になります。

アップルギフトカードの購入方法

アップルギフトカードはコンビニや家電量販店、ドラッグストア、スーパーなどの実店舗で購入できる「物理カード」、インターネット上で購入できる「コードタイプ」の2種類。額面が1,500円、3,000円、5,000円、1万円の「金額固定タイプ」と、1円単位で500円から25万円まで任意で金額を選ぶことができる「バリアブルタイプ」があります。

支払いに利用する際、App Storeアプリに入って、ギフトカードまたはコードを使うを選択し、カードの裏面に記載されている16桁のコードを確認し、コードを入力します。自身のAppleアカウントにチャージして、Apple製品購入やサービスの支払いに利用することも可能です。

アップルギフトカードが詐欺に利用されている!

アップルギフトカード
コンビニで購入できるアップルギフトカード

アップルギフトカードを詐欺で騙し取られる事例が数多く報告されています。これは金券として利用しやすく、匿名性、入手性、簡便性、換金性、不可逆性という、詐欺師にとって「好都合な特徴」をいくつも兼ね備えているからだといえます。アップルギフトカードは利用者にとって便利なツールなのですが、詐欺師にとっても、警察の追跡を逃れながら、迅速かつ確実に資金を騙し取るための理想的なツールになってしまっているのです。そのため、詐欺の手段として悪用されやすい傾向にあります。

匿名性:詐欺に利用される最大の理由は匿名性、追跡が困難なこと

アップルギフトカードが詐欺に利用される最大の理由はその高い匿名性と追跡が困難なことです。コンビニなど実店舗で、現金で支払って購入されると購入者を特定できません。また、詐欺でアップルギフトカードのコードはクレジットカードのように名前や住所と紐づいていません。そのため盗み取られたコードが、即座に偽名などで作ったAppleアカウントに登録されてしまうと警察が捜査しても、犯人個人の特定は非常に困難です。

入手性:いつでもどこでも簡単に購入できる

アップルギフトカードはコンビニ、スーパー、家電量販店など、全国どこにでも購入が可能です。コンビニやオンラインであれば、24時間いつでも購入できることから、騙す側は「今すぐ買ってきて」「すぐにカードが必要」といった指示をだしやすいのです。一方、騙される側も身近な場所で購入できます。いつでもどこでも簡単に変えることが詐欺に悪用されてしまうのです。

簡便性:送金が簡単かつスピーディー

アップルギフトカードの裏面にある16桁のコード番号さえ分かれば、写真やテキストで送るだけで価値を移転させることができます。被害者から詐欺師へカードの価値を移転させるのは簡単かつスピーディーに行えます。銀行振込のような手続きは一切不要です。騙し取る側も世界中のどこにいてもコードを受け取れば、即座に自分のものにできます。この利便性を悪用しています。

換金性:買取サイトなどで換金可能

詐欺師の最終目的は騙し取ったアップルギフトカードの換金です。アップルギフトカードは、現金化する手段が確立されています。アップルギフトカードのコード番号を、額面の70〜90%程度で現金に換金する非公式の買取サイトが多数存在します。詐欺師は騙し取ったコードをこうしたサイトで即座に現金化します。

また、騙し取ったアップルギフトカードで即座に自身のアップルアカウントにチャージし、その残高でiPhoneやMacBookなどの換金性の高い人気商品を購入。中古市場や海外で転売して現金を得るという手口もあります。

不可逆性:取り消しや返金が困難

アップルギフトカードは一度、詐欺で騙し取られてしまうと、取り返すのが極めて難しい仕組みになっています。アカウントに一度チャージされると、その残高を取り戻したり、コードを無効化したりすることはたとえAppleでも原則できないからです。この仕組みを悪用して、詐欺師はコードを入手すると、即座に自身のアカウントにチャージしてしまいます。

アップルギフトカード、詐欺被害に遭ってしまったら?返金される?

アップルギフトカードは詐欺師に渡ってしまうと、すぐにアカウントにチャージされてしまったり、転売されたりするため、追跡や取り戻すことが難しく、返金は非常に困難だというのが現状です。しかし、詐欺被害に遭ったことに気がついたら、諦めずに次の対応を迅速に行ってみてください。

まずAppleサポートに連絡する

Appleギフトカード
Appleサポート

すぐにAppleサポートに連絡し、詐欺の被害に遭ったことを報告してください。ギフトカードがまだ使用されていない場合は、コードを無効化してもらえる可能性があります。その際、購入時のレシートなど、購入を証明できるものを手元に準備しておくとスムーズです。また、メール、SNSのメッセージなど、詐欺師とのやり取りの記録は消さずに保管しておきましょう。こうした証拠は弁護士など専門家に相談する際、必要となる場合があります。

警察に被害届を提出する

最寄りの警察署やサイバー犯罪相談窓口に被害を届け出てください。犯人逮捕につながる可能性があります。ただし警察は民事不介入の原則があるため、刑事事件としての対応はしてくれますが、民事扱いとなる返金の交渉までしてくれるわけではありません。

返金してもらえる場合もある?

詐欺による被害の状況や証拠などが揃っている場合など、Appleが例外的にアカウントへの残高返還という形で対応を行うケースもゼロではありません。ただし、保証されているわけではありませんし、Appleは基本的に返金しないとしています。そのため、まずは、被害に遭わないための対策が最も重要となります。

アップルギフトカードで詐欺に遭った!返金して欲しい!

アップルギフトカード
アップルギフトカードの詐欺被害でAppleから返金される可能性はほとんどない

Appleはギフトカードの発行元ですが、詐欺行為の当事者ではありません。そのため、「騙されてコードを他人に教えてしまった」ということになると、利用者側の過失と見なされるため、Appleに法的な返金義務はありません。そのため、Appleに交渉しても、よほどのことがない限り、返金される可能性はありません。

しかし、詐欺を働いた業者を特定できた場合、業者に対して民事・刑事の両面から返金を求めていくことができます。つまり、アップルギフトカードで詐欺に遭っても、返金される可能性はゼロではないのです。諦めることはありません。まず、法律事務所など、返金交渉のプロに相談されるべきです。

アップルギフトカードで詐欺に!でも返金は諦めないで!ご相談は弁護士法人インサイト法律事務所へ

アップルギフトカードは匿名性、入手性、簡便性、換金性、不可逆性という特徴から、使いやすく、人気のプリペイドカードですが、その特徴を悪用して詐欺に利用されるケースが後を断ちません。Appleではいかなる理由であっても返金はしないとしているため、残高を騙し取られて泣き寝入りされてしまった方も少なくありません。しかし。騙した相手を特定できれば、詐欺師から返金される可能性は高まります。

アップルギフトカードの詐欺で残高を騙し取られる被害に遭ったかもしれない、詐欺被害に遭ってしまったという方、できるだけ早くインサイト法律事務所にご相談ください。弁護士法人インサイト法律事務所の代表弁護士、大川博俊弁護士はこれまでに数多くの詐欺の事例に対応し、解決を図ってきました。アップルギフトカードの詐欺で騙し取られたお金は全額ではないかもしれませんが、取り返せることがあります。まずはインサイト法律事務所へご相談ください。