
宝くじ詐欺に注意!実例・手口・対策を徹底解説
「宝くじに当たりました!」という連絡が突然届いたことはありませんか?または、「あなたの運気が上昇していて、大金が舞い込む兆しがあります」といったメッセージを受け取ったことは?これらはどちらも、詐欺の可能性があります。
宝くじや占いを利用した詐欺は年々増加傾向にあり、多くの人がその被害に遭っています。この記事では、宝くじやスピリチュアルを悪用する詐欺の手口、過去の事件例、被害額、そしてだまされないための対策まで詳しく解説します。
目次
当選通知やスピリチュアルメッセージにご用心!代表的な詐欺手口

「高額当選しました」とメールで通知してくる
もっとも多いパターンが「宝くじに高額当選しました」という内容のメールやSMSです。まったく応募していないのに当選したという通知が来た場合、それはほぼ間違いなく詐欺です。「1億円が当たりました!受け取り手続きをしてください」といった文章で興味を引こうとします。本物の宝くじでは、購入していない人に当選通知が届くことはありません。
「あなたは選ばれた存在」と語りかけてくる
占いやスピリチュアル系の詐欺では、「特別な力が見える」「あなただけに金運が訪れている」などと甘い言葉をかけてきます。これにより、信じやすい人を引き込んで、高額な祈祷や運気アップグッズを販売するのが目的です。
当選金の受け取りや運気改善に手数料や祈祷料が必要と言ってくる
次のステップとして、「当選金を受け取るには手数料や税金が必要です」と言ってきます。占い詐欺でも、「このままでは不運が続く」「浄化には祈祷料が必要」として数万円から数十万円を請求されることがあります。宝くじの当せん金には所得税や住民税はかからず、前払いの手数料も不要です。運気アップの祈祷も、根拠はありません。
実在しない団体や有名人の名前を名乗る
信用させるために、「総務省宝くじ当選管理局」や「日本占術協会認定鑑定士」など、実在しそうな団体名や肩書を名乗ります。また、「有名霊能者があなたの守護霊を視た結果です」といった文言も使われることがあります。名前だけで信用せず、必ず情報を確認しましょう。
個人情報や口座情報を聞き出そうとする
当選金の振込名目や鑑定書の送付名目で、銀行口座や住所、電話番号などを聞き出してきます。一度でも情報を渡してしまうと、さらに高額な請求や別の詐欺につながる恐れがあります。知らない相手に個人情報を教えるのは非常に危険です。
なぜ宝くじや占いを利用した詐欺がなくならないのか
当選や救いへの憧れを利用しているから
「一発逆転」「人生が変わる」「災いから解放される」など、人間の深層心理を巧みに突くのがこれらの詐欺です。夢や不安に働きかけ、冷静な判断力を奪っていきます。
高齢者が被害に遭いやすいから
スマホやパソコンの操作に不慣れな高齢者が標的にされやすい傾向があります。また、家族のためにお金を残したい、という気持ちも利用されます。
詐欺手口が年々巧妙になっているから
本物そっくりなハガキ、メール、Webサイト、さらには占い師の偽プロフィールまでが用意されているケースもあります。外見や文面が本物らしいからといって、信用してはいけません。
連絡手段が多様化しているから
メールやLINEだけでなく、SNSのDMや占いアプリを通じた詐欺も報告されています。「あなたの守護霊が語りかけている」といった文言に注意が必要です。
過去の判例から見る宝くじ詐欺の実態

宝くじ詐欺は、長年にわたって多くの人々をだましてきた犯罪です。過去に摘発された事件をもとに、どのような手口が使われていたのか、実際の被害状況や裁判の結果を見ていくことで、今後の被害防止につながります。
宝くじ当選通知を悪用した詐欺事件(2020年・警視庁発表)
2020年、東京都内で「宝くじに当選しました」とうたうハガキを全国に送付し、複数の人から手数料をだまし取った事件が摘発されました。
この詐欺グループは、「財団法人 全国宝くじ当選通知センター」などと記載した架空団体を名乗り、受け取りに必要な「登録料」や「受理料」として数万円を複数回要求していました。
被害者は、ハガキの文面を信じて複数回にわたり送金し、総額で1,000万円以上の被害が発生したとされています。
この事件では複数名が詐欺罪で逮捕・起訴され、詐欺罪に基づく有罪判決が下されました。
「高額当選の名義貸し」詐欺での実刑判決(大阪地裁 2017年)
大阪地方裁判所で2017年に出た判決では、「高額当選したが本人が受け取れない」という名目で、第三者に名義貸しを依頼し、手数料などの名目で数百万円を騙し取った詐欺事件が扱われました。
この事件の被告は、複数の被害者に対し「あなたの名前で当選金を一時的に受け取ってほしい」と依頼し、その後「税金」「保証金」などの理由で金銭を要求しました。
裁判では、詐欺罪により懲役3年6ヶ月の実刑判決が下されています。
この判例では、「名義貸しを頼まれる宝くじ当選話」は、明らかに非現実的であり、慎重に対応すべきであることが指摘されました。
同一人物が複数回送金させられたケース(消費生活センター事例)
国民生活センターが公表した相談事例では、ある高齢者が「宝くじの当選通知」を信じ込み、2ヶ月で8回以上も送金してしまったというケースが報告されています。
最初は5万円、その後10万円、最終的には100万円以上を支払う結果となり、被害総額は400万円を超えました。
被害者は「ここまで払ったのだから、今さら引き返せない」と考えてしまい、心理的に断れなくなる『サンクコスト効果』に陥っていたとされています。
判例からわかる詐欺の共通点
以上のような事例や判例から明らかになっているのは、次のような共通点です:
・実在しない団体名を名乗って信用させる
・手数料や登録料の名目で小額から始めて繰り返し請求する
・「名義貸し」などで当事者の協力を求め、被害者を共犯に見せかける ・高齢者など情報を得ることが困難な方たちを標的にしている
これらの特徴を知ることで、未来の被害を防ぐ「学び」とすることができます。
被害事例に学ぶ!宝くじ詐欺の落とし穴
実際の被害者の行動から、どんなときに詐欺に巻き込まれやすいのかを知っておきましょう。
家族に相談せずに対応してしまった
「当選のことは内緒にしてください」「鑑定のことは誰にも言わないように」と言われ、そのまま誰にも相談せず行動してしまうケースが多いです。
家族や友人に相談していれば防げたかもしれないのに、詐欺師の言葉を信じて一人で対応してしまったのです。
大きなお金に関わる話は、必ず誰かに相談しましょう。
秘密にするよう言われた時点で、疑うべきです。
連絡先に電話してしまい信用してしまった
メールに記載された電話番号に電話してしまい、詐欺師と直接話して信じてしまったという事例もあります。
詐欺師は非常に親切で丁寧な口調で話し、信用させる技術に長けています。
「本当に当たったのかも」と思わせるような情報や書類も用意しています。
しかしそれはすべて詐欺の演出です。
「秘密にしてください」という言葉を信じてしまった
「他の人には言わないでください」「これは極秘です」と言われると、特別な人になった気がしてしまうことがあります。
でもその言葉こそが、詐欺師があなたを孤立させるためのテクニックです。
誰にも話さなければ、騙されたことにも気づきません。
秘密にするように言われたら、それは詐欺のサインです。
知らない口座にお金を振り込んでしまった
「手続きのため」「税金の前払い」「宝くじの高額当選のための鑑定料」と言われて、指定された口座にお金を振り込んでしまった被害も多くあります。
中には数十万円を一度に振り込んでしまうケースもあります。知らない人の口座にお金を送るのは絶対にやめましょう。
こんな連絡は詐欺かも?見抜くチェックポイント

「今すぐ連絡してください」と急がせてくる
「今日中に連絡がないと無効になります」「すぐに対応しないと受け取れません」といった言葉で焦らせてきます。
冷静な判断ができなくなるように仕向けるのが目的です。
本当に当選していたとしても、急かすことはありません。
焦らせる連絡は詐欺の可能性が高いと考えましょう。
当選していないのに当選したと言われる
応募していない宝くじに当選することは絶対にありません。
それなのに「当たった」と言ってくる場合は、ほぼ詐欺です。
自分が購入した宝くじの番号を、正確に確認する習慣をつけましょう。
応募していない=詐欺確定と覚えてください。
手数料の名目で先にお金を要求される
「手数料」や「手続き費用」「税金の前払い」など、お金を先に支払うよう要求されたら、それはほぼ詐欺です。
「すぐに払ってください」「この機会を逃すと無効になります」などの言葉に惑わされてはいけません。
先にお金を出させる手口は詐欺の常套手段です。
日本語が不自然である
翻訳ソフトを使ったような不自然な日本語が使われていることがあります。
たとえば「ご当選いたしましたございまして」「手数料はご必要です」など、不自然な表現が見られます。
少しでも違和感を感じたら、相手の正体を疑ってください。
言葉の不自然さも、重要な警告サインです。
手数料や祈祷料を前払いさせようとする
詐欺師は「当選金を受け取るには手数料や税金が必要」「あなたの運気を上げるために特別な祈祷が必要」と言って、金銭を先に支払わせようとします。
正規の宝くじ当選に前金は不要であり、運気アップに確かな根拠もありません。支払いを求められた時点で、詐欺を疑いましょう。
もし宝くじ詐欺に遭ってしまったら?正しい対処方法
万が一、詐欺に遭ってしまった場合は、すぐに適切な行動を取りましょう。諦めずに行動することが、被害の回復につながることもあります。
すぐに警察に被害届を出す
詐欺に気づいたら、できるだけ早く最寄りの警察署に被害届を提出しましょう。
早い段階で届け出れば、口座凍結や犯人の特定などにつながる可能性もあります。
届け出の際は、メールや振込履歴などの証拠があるとよりスムーズに対応してもらえます。
「どうせ無理だろう」と思わず、行動することが大切です。
振込先の銀行に連絡して送金停止を依頼する
送金してしまった場合は、すぐに銀行に連絡し、振込停止ができないかを確認しましょう。
タイミングによっては、まだ資金が引き出されておらず、被害を防げる場合もあります。
銀行の振込受付時間外であっても、緊急連絡先に電話する価値はあります。
できるだけ早く行動することが鍵です。
消費生活センターに相談する
消費生活センターでは、詐欺の相談を受け付けています。全国どこからでも「188(いやや)」に電話すれば、最寄りのセンターにつながります。
専門の相談員が、どう対応すべきかアドバイスしてくれます。
被害が小さくても、相談することで次の被害を防ぐことにもつながります。
他の人を守るためにも、勇気を出して相談しましょう。
証拠となるメールやメッセージを保管する
詐欺に関するやりとりは、すべて保管しておきましょう。
削除せず、できればスクリーンショットを取っておくと安心です。
メール、SMS、通話履歴、振込明細など、証拠になるものはすべて記録しましょう。
これらは警察や銀行に説明する際にも非常に重要です。
まとめ|宝くじを悪用した詐欺の実態と判例・被害額から学ぶ防止策
この記事では、宝くじ詐欺の手口や被害例、実際の事件、そして防止策について詳しく解説しました。
詐欺の手口と被害事例を知って対策をとることが大切です。宝くじ詐欺は誰でもターゲットになり得ます。自分だけは大丈夫と思わず、日頃から情報を集めて備えておくことが大切です。
被害事例を学び、どういった流れで詐欺が行われるのかを理解しておきましょう。
知識があれば、詐欺師の手口にもすぐ気づけるようになります。
「知っているかどうか」が被害を分けるポイントです。
被害に遭わないためには冷静な判断と周囲の助けが必要
宝くじの当選連絡が来たとき、宝くじに高額当選すると言われたとき、少しでも疑いを持つことが被害を防ぐ第一歩です。
感情的にならず、冷静に考えること。そして、家族や信頼できる人に相談することも忘れないでください。
もしもの時は、早急に警察や専門機関に相談しましょう。
冷静さと周囲の支えが、あなたを守る最大の武器になります。