ビットキャッシュのひらがなIDは教えないで!それ詐欺です!

ビットキャッシュは動画配信、オンラインゲーム、電子書籍の購入など、インターネット上での支払いに利用されるプリペイド式電子マネーです。クレジットカード情報の入力に抵抗がある人や、使いすぎを防ぎたい人にとっては便利で安全な決済手段となっています。多くのウェブサービスで導入され、普及しているビットキャッシュですが、ネット上で行われる詐欺で騙し取られてしまうケースが見られます。ビットキャッシュ詐欺の被害に遭わないよう、注意が必要です。

プリペイド式電子マネー「ビットキャッシュ」とは?

ビットキャッシュ
店頭販売型ビットキャッシュ(公式サイトより)

ビットキャッシュは1997年にサービスが開始されたプリペイド式電子マネーです。カード型で発売されているもの、コンビニなどに置かれている端末を操作してレジで受け取るもの、オンラインでチャージして使うものがあります。

ビットキャッシュはコンテンツ購入やサービス利用料金支払いの決済時に「ひらがなID」と呼ばれるコードを入力します。一般的にネット上で利用されている英数字や記号を組み合わせる複雑なコードと異なり、ひらがななので入力ミスをしにくいのが特徴となっています。

ビットキャッシュの主な用途

ビットキャッシュは、インターネット上のさまざまなデジタルコンテンツやサービスの支払いや決済に利用できます。ここでその一例をご紹介しましょう。

  • 動画・音楽配信サービス:映画やドラマ、アニメの視聴、音楽のダウンロード購入
  • オンラインゲーム:ゲームサイトでアイテム課金や月額利用料の支払い
  • 電子書籍:電子書籍ストアでのマンガや小説、雑誌のダウンロード購入の支払い
  • SNS・コミュニティサイト:スタンプやアバターの購入、有料コンテンツの利用料金の支払い
  • その他: ソフトウェアの購入や、各種情報サイトの有料サービスなど

ビットキャッシュの利用方法

ビットキャッシュ詐欺
コンビニの端末操作で受け取るタイプのビットキャッシュ(公式サイトより)

ビットキャッシュは購入すると16文字の「ひらがなID」が発行されます。このひらがなIDを使って、支払い、決済を行います。その手順は次のとおりに行います。

  1. 利用したい各種ネットサービス、コンテンツの決済画面で「ビットキャッシュ」があることを確認したら、ビットキャッシュを支払い方法として選択します。
  2. ビットキャッシュの入力画面が表示されたら、購入したビットキャッシュのカードや、チケットやシートに記載されている16文字のひらがなIDを入力します。
    3.ID入力後、「支払う」などのボタンをクリックすると、決済は即座に完了します。

「ひらがなID」は残高と同じ価値を持つものです。ビットキャッシュの詐欺被害に遭わないためにはそれを意識して、「ひらがなID」をしっかりと管理していくことが重要になります。

ビットキャッシュが詐欺に利用されている

ビットキャッシュの手軽に利用できる電子マネーであることや匿名性などの特性が悪用され、オンライン詐欺の手段として利用されてしまっているケースが多数報告されています。そのほとんどは利用者の「ひらがなID」を騙し取るというものです。これまでに見られた詐欺の手法を紹介いたします。こうしたパターンに当てはまった場合、詐欺に遭っている可能性が極めて高いといえます。

コンビニでビットキャッシュを買ってきて!

ビットキャッシュ詐欺
よく見ると日本語がおかしいので、こういうメッセージが出ても冷静に

「コンピュータウイルスに感染しました」「システムが破損しています」という画面表示と共に「こちらへ電話を」「こちらのチャットで」などの案内に従うと、ニセのサポート窓口から費用の支払いにビットキャッシュで支払うように指示されるパターンです。電話の場合、日本語がカタコトだったり、言葉づかいがおかしかったりするので気が付く方もいらっしゃいますが、不安を煽られているため、冷静さを失い、引っかかってしまうというケースが後を断ちません。

また、家族や友人になりすまして、「困っている!すぐにコンビニでビットキャッシュを買ってきて」「あとで返すからビットキャッシュのひらがなIDを送って」というパターンもビットキャッシュを詐取する手口です。

相手にひらがなIDを教えた瞬間、残高を全て抜き取られてしまいます。

ニセ通販サイトでビットキャッシュを詐取

ブランド品を極端に安い価格で掲載し、購入時の決済に銀行振込、クレジットカード、着払いに加えて、ビットキャッシュを選択肢に置いているニセの通販サイトもあります。ビットキャッシュの公式サイトでは2024年4月16日付けで「通販サイトでのビットキャッシュ詐取にご注意ください」と題したお知らせで注意喚起を行っています。

通販サイトの支払方法としてビットキャッシュが案内され、
ひらがなIDが詐取されるという被害の報告を受けています。
これらのサイトは、ひらがなID詐取を目的とした悪質なサイトとなり、
一見すると一般的な通販サイトと区別がつきにくいのが特徴です。
ただし、以下のようなポイントを注意してご確認いただくことで見分けることができます。

【悪質通販サイトの見分け方】
・サイト上に販売業者の名称、住所、電話番号が明確に表記されていない
・日本語の表現が不自然である
・ブランド、メーカー品で価格が極端に安い
・Web広告やSNSに記載のリンクから誘導される

また、悪質サイトかどうかの判断が難しい場合は、検索サイトで対象のサイト名を検索し、
確認するなどをお試しください。

出典:ビットキャッシュオフィシャルサイト
https://bitcash.jp/docs/information/2024/0416-01

最近はビットキャッシュを騙し取ったあと、さらにLINEを使ってPayPayでも詐欺を働くという悪質な手口も見られます。「在庫切れなのでPayPayで返金するから」とLINEでの画面共有を指示。詐欺師のアカウントに送金させるというものです。

ニセのビットキャッシュサイトへ誘導するメール

あたかもビットキャッシュからのようになりすましたメールやSMS(ショートメッセージ)でニセのサイトへ誘導するという手口です。

「お使いのビットキャッシュアカウントに異常が検知されました」「ハッキングされたおそれがあります」「あなたのアカウントが不正に利用されています」「残高をご確認ください」などといったタイトルや内容でユーザーの不安感を煽り、誘導したニセのサイトに、メンバーズIDやパスワード、所有しているひらがなIDを入力させて、残高を騙し取ります。

ビットキャッシュのオフィシャルサイトが2022年8月に、また、フィッシング対策協議会が2022年9月に、こうした手口による詐欺に対する注意喚起の緊急情報を発信しました。

弊社からお客様へのご案内に際して、メールやメッセージで残高照会のURLをお送りすることはありません。
そのようなURLが記載されたメールやメッセージを受信した場合は、記載のURLは偽サイトの可能性があります。

ビットキャッシュの残高を確認されたい場合は、ビットキャッシュホームページより、残高照会メニューを選択し、ご利用ください。

出典:ビットキャッシュオフィシャルサイト
https://bitcash.jp/docs/information/2022/0812-01

ビットキャッシュの残高がなくなっている!どうしよう?

ビットキャッシュ詐欺
詐欺師に騙され、ビットキャッシュの残高がゼロに

ビットキャッシュのひらがなIDはアカウントにある残高と同じ価値を持っています。ニセサイトにビットキャッシュのひらがなIDを送ってしまった、入力してしまった、ビットキャッシュのカード画像を送ってしまった場合、即座に残高がゼロになってしまいます。

騙し取られてしまったビットキャッシュの残高返金の交渉は私どもインサイト法律事務所のような詐欺被害を専門的に扱っている法律事務所でも大変困難です。ビットキャッシュは高い匿名性があるため、詐欺を行った人物、グループを特定できないことがほとんどだからです。

そのため、ビットキャッシュ詐欺に遭わないようにするためにはインターネットを利用する際、安易にひらがなIDを教えないようにするなど、アカウントの管理を徹底して、自己防衛していただくことが重要です。そして、万が一、ビットキャッシュ詐欺に遭われた際、まずは警察に被害を届けること、そして国民生活センターや私どものような詐欺被害を専門的に扱う法律事務所などに相談してください。

ビットキャッシュ詐欺に遭ってしまった!?ご相談は弁護士法人インサイト法律事務所へ

ビットキャッシュはインターネット上のコンテンツ購入やサービス利用料支払いの決済で気軽に利用できる便利な電子マネーです。匿名性や安全性、使いすぎの防止効果があること、残高の管理が容易であることといった特長があります。しかし、残念なことにこうした特徴を悪用した詐欺が横行しています。ビットキャッシュの残高を騙し取られる詐欺被害に遭ったかもしれない、詐欺被害に遭ってしまったという方、できるだけ早くインサイト法律事務所にご相談ください。弁護士法人インサイト法律事務所の代表弁護士、大川博俊弁護士はこれまでに数多くの詐欺の事例に対応し、解決を図ってきました。詐欺で騙し取られたお金は全額ではないかもしれませんが、取り返せることがあります。返金は諦めず、インサイト法律事務所へご相談ください。