なりすましメールで騙された!返金してもらえる可能性は?
なりすましメールは芸能人やスポーツ選手、有名な投資家や経済評論家などになりすまして、メールを送り付け、お金を騙し取ったり、個人情報を抜き取ったりする詐欺の手法です。最近は国税庁になりすましたメールや宅配便業者や金融機関、フリマサイトやオークションサイトの運営企業などになりすましたメールもあります。自社のタレントを悪用された芸能事務所、社名を悪用された企業は自社サイトのお知らせで注意喚起を行っていますが、依然として被害に遭ってしまう方がおられます。なりすましメールでお金を騙し取られた場合、返金交渉が難しいどころか、交渉することができない場合もあります。
目次
金融機関などを装ったメールの手口
突然、こんなタイトルのメールが届いたことはありませんか。
「【●●●●】振込(出金)、ATMのご利用(出金)利用停止のお知らせ」
「【●●●●】アカウント使用停止のお知らせです
いずれも送信者の名前を見ると、よく見かける金融機関やフリマサイト、オークションサイトになっているのです。これはなりすましメールの一種で最近増加傾向にある企業なりすましのパターンです。メールを開けてみると次のようにあります。
●●●様
本メールはお客さまの生体情報を利用登録することをご利用され、ログイン異常によって、振込(出金)、ATMのご利用(出金)が一時利用停止されました。
提携企業サービス商品のご案内を配信登録されているお客様にお送りしています。
●●●さん
第三者が不正にログインを試︉みた可能性があります。安全のため決済できないよう保護しま︉した。
いつも●●●●・●●ペイ︉をご利用いただきありがとうございます︉。
●●●●でのお買い物や●●ペイが使える街のお店やネットショップで︉のお買い物に対︉して、決済できないよう保護しま︉した。
これはいずれもなりすましメールの文面です。送り主の詐欺師グループがなりすましている金融機関に口座がなければ、迷惑メール、詐欺メールだと思って、リンク先をみることもなく削除するはずです。しかし、そこに口座があったり、あるいはフリマやオークションサイトを普段から使っていたりすると、IDやパスワードを盗まれたのでは、あるいはどこかでカードをスキミングされたか、と慌ててしまうでしょう。
ここでリンクをクリックして求められる通りに個人情報などを入力するとフィッシング詐欺に使われるほか、個人情報を悪質な詐欺業者に転売されてしまうことになります。
あのタレントからメール?メッセージ?それは確実になりすましです!
芸能人、タレント、スポーツ選手からの間違いメールを装ったなりすましメールの手口も未だに利用されています。そんなメールが届く可能性はないと思っていても、自分が推しの活動をしているタレントやアイドルだったりすると、受け取った方は冷静になれなくなるのは理解できます。
タレントや芸能人も警鐘を鳴らしています
今年9月、歌手のGACKTさんが自身のX(旧ツイッター)でなりすまし詐欺について注意を呼びかけられました。最近ではSTARTO ENTERTAINMENTが「タレントやマネージャ-(関係者)を装った詐欺について」と題したお知らせで、また人気タレントやモデルが所属するオスカープロモーションも今年7月、「弊社所属タレント・モデル・マネージャーのなりすましSNS等にご注意下さい!」と題したニュースで注意喚起しています。
芸能人、タレント、スポーツ選手から間違いメールが届くことはまずありません。信じたい気持ちはあるかと思いますが、有名人からの間違いメールは詐欺師が作った「なりすましメール」です。
なりすましメールで詐欺に!どうすべき?
フィッシング詐欺は企業のなりすましメールで行われていています。入力された個人情報を不正利用するというタイプの詐欺です。詐欺師グループはフィッシングで得たクレジットカードなどの個人情報を悪用し、買い物の支払いに利用します。また芸能人などになりすまし、間違いメールを装って送られてくるなりすましメールは言葉巧みに有料ポイントが必要なサイトへ誘導し、多額のポイントを消費させるという手口の詐欺です。
クレジットカードをフィッシングされた場合はカード会社が返金対応
フィッシング詐欺に遭われ、不正利用された場合、まずすべきことはカード会社への早急な連絡です。また、警察への届出をしても良いでしょう。カード会社は今後のさらなる不正な利用を防ぐため、カードを利用できないようにしたり、決済の調査をしたりします。クレジットカード会社にもよりますが、本人ではない第三者によって不正に利用されたものとカード会社が判断した場合には、会員保障制度が適用され、不正利用分は返金されます。
ただし、フィッシング詐欺で行われた被害が補償外とされてしまう場合もあるので注意が必要です。フィッシング詐欺の中には、巧みに暗証番号などを聞き出す手法があります。被害者の方がこの手法に引っかかり、暗証番号などを第三者に伝えてしまっていた場合、カード会社は、クレジットカードを名義人自身以外への貸与、第三者に暗証番号を伝えることなどを禁止しているため、被害者の方に過失があると判断されてしまい、返金などの補償対応されなくなってしまう可能性もあるのです。
有名人になりすましメールの返金交渉
芸能人やタレント、スポーツ選手になりすましたメールでは突然、携帯電話へ芸能人になりすました人物からメールが届き、その後、 相談に乗ってほしいと偽サイトに誘導され、やり取りのポイント料など繰り返し支払われてしまったというパターンが多くみられます。わたくしどもインサイト法律事務所へ相談にいらっしゃる被害者もこの手口に遭われた方がほとんどです。
この場合、なりすましメールを削除せず、保存していただくこと、有料ポイントを消費させられているサイトの退会や、アカウントの削除などを行わないこと、支払い明細や入金明細などは捨てていなければ、まとめて保管しておくといったように、詐欺被害の証拠保全を行い、できるだけ早く法律事務所などの被害相談窓口へ向かってください。
大手警備会社から現金輸送!?こういうパターンのなりすましも
なりすましメールによる詐欺の手口は新しいものが次々と登場してきています。わたくしどもに先日相談があった詐欺事例をご紹介しましょう。被害者が受け取ったメールの差し出し人名義は大手警備会社。内容は「貴方様あての現金輸送の依頼を受けている」とものでした。被害者はその後、この現金を受け取るための手続きが必要と認証番号の発行費用のほか、輸送の際に必要だと警備費用も請求され、指示通り、繰り返し払い続けられました。このパターンはなりすましメールによる詐欺ですが、騙し取る手法は出会い系詐欺や支援詐欺に近い内容だといえます。
こうした企業名によるメールが届いた際、必ずメールアドレスを確認してください。確認方法は使用されている端末やアプリによって異なりますが、受信されたメールの差出人は社名になっていても、メールアドレスを確認するとその送り主の企業とは全く関係のない社名だったり、あるいは意味のない文字が羅列されているメールアカウントだったりします。メールアカウントを必ず確認するだけで、詐欺被害に遭う確率を減らすことができるのです。
なりすましメールの詐欺の被害、ご相談は弁護士法人インサイト法律事務所へ!
なりすましメールの手口はますます巧妙になってきています。しかし、詐欺で奪われたお金を取り戻せる場合があります。騙されたことに気がつかれましたら、できるだけ早く詐欺被害相談窓口へ向かってください。私どもインサイト法律事務所の第二東京弁護士会所属の大川博俊代表弁護士はなりすましメールによる詐欺や出会い系詐欺、副業詐欺、ギャンブル詐欺など、各種詐欺被害の返金交渉を専門的に行ってまいりました。私どもも詐欺被害専用の相談窓口を設けており、受付時間外でも対応可能、着手金は無料です。詐欺行為に遭ってしまい、悩まれている方、インサイト法律事務所にご相談ください。