競馬投資詐欺といいますが、競馬は投資にはなりえません

「投資競馬」「知識のない人でも稼げる競馬投資」「競馬の知識は不要」など、あたかも競馬が投資活動のように勧誘する広告やブログ記事がインターネット上にばら撒かれています。競馬投資詐欺がなくなるまで何度も言い続けますが、競馬は投資にはなりえません。競馬はギャンブルです。競馬があたかも投資かのように紹介、解説しているブログ記事や解説、広告が見られますが、賭けごとにほかなりません。

悪質な競馬会社の勧誘方法

競馬のレース予想や傾向などを解説し、配信している競馬情報会社には競走馬を管理する厩舎や騎手などを取材している会社がある一方で、主催者のJRA関係者から得た裏情報、すでに着順が決まっているレースがある、など、怪しげな情報を配信・販売している情報会社もあります。こうしたサイトは間違いなく、悪質な競馬詐欺サイトです。また競馬をあたかも投資になるかのように広告を行っている競馬会社も詐欺サイトを疑ってください。

また、「競馬はギャンブルではなく投資」「しっかりとした情報があれば的中するので、投資と同じ」「投資競馬は副業」「高回収率の競馬投資法」など、本来ギャンブルである競馬を投資や副業のようにすり替えて印象付ける広告や宣伝を行っている業者も詐欺を行っている業者だと疑った方がよいでしょう。

株式投資や投資信託、不動産投資などのような金融商品ではなく、騎手が乗った馬によって競われる公営の競走競技であり、競争競技の着順を予想する賭博です。

最近増加傾向にある競馬投資詐欺の手口は?

競馬投資詐欺

競馬を悪用した詐欺でこれまで多かったパターンは高額な予想情報を売りつけるものでした。しかし、最近、投資をするように見せかける手口の詐欺が増加傾向にあります。

最初は支払われる配当金、しかし信じ切ったところで罠に

この詐欺は競馬投資によって配当を得られるが、その配当を得るためには最初に手数料を振り込まなければならない、という仕掛けから始まるものです。手数料は配当金の10〜20%。最初に提示される配当金は少額で数百円から。この時点ではまだ配当金が支払われます。この配当金支払いが何度か行われ、相手が信じ切ったところで配当金の金額が巨額になります。

しかし、ここで手数料を払うと配当金は支払われない、連絡もつかなくなるという流れになっています。私どもの相談窓口へいらっしゃった被害者の方々に状況を伺ったところ、そのほとんどがこのパターンでした。しかも、これまで競馬を見たこともない、馬券を購入したこともない、そもそもギャンブル自体行ったことがないという方ばかりで、次にご紹介する事例の被害者もやはり馬券を購入されたことがない方でした。

軽い気持ちで振り込んでしまった手数料から

私どもにご相談いただいた被害者の方がこの詐欺に引っかかってしまったきっかけは競馬会社を名乗ってかかってきた突然の電話でした。そのときの誘い文句は「投資会員に選ばれた。あなたには配当金を受け取る権利がある」というもの。「ただし配当金を受け取るためには先に手数料を振り込むことが必要」といわれ、電話の相手は詐欺師だろうと疑ったのだそうです。

ただ、この方も被害に遭われた他の方と同様で、配当金として提示された金額は数千円。それに対して、振り込みを指示された手数料も数百円と少額でした。この金額に油断し、話の種に使える、払う金額は大したことはない、騙されてみるのも面白い、と軽い気持ちで業者に手数料を振り込んでしまいました。

競馬会社を名乗る業者から配当金が振り込まれる

この方は騙されたと思っていたのですが、数日後、約束通りに配当金が指定した自身の口座に振り込まれました。金額も大きくなかったことから、何度かこの詐欺師に付き合って配当金を受け取るための手数料を振り込み続け、配当金も支払われていたのです。しかしこの配当金はその後、大きく騙すための見せ金でした。

高額配当金を振り込むと連絡が途絶え、詐欺事件に

配当の金額はだんだん上がっていきます。何度も振り込まれてきたため、被害者はすでに詐欺師の術中にはまっており、信じています。この状態で業者は高額配当金を案内してきました。

業者は「高額だからこれまでと異なった別途手続きが必要になる」「登録費用が必要」と次々と費用を請求。被害者も疑い始めますが、「他の投資会員の方たちも支払って配当金を受け取っている」と聞いて、その度、手数料を支払い続けました。もちろん詐欺なので、手数料はすべて騙しとられてしまい、相手とは連絡もつかなくなりました。

競馬投資詐欺で返金交渉が難しいことも

最近、これまでに紹介したような手法で行われている競馬投資詐欺の被害者から相談を受けることが増えています。できる限り返金交渉のお手伝いをしたいと考えてはおりますが、私どものように詐欺被害の返金交渉を専門的に行っている法律事務所でも返金交渉がほぼ不可能で、お引き受けできないとお答えせざるを得ないケースがあります。

例えばこの事例で紹介したような手口を使う競馬投資詐欺グループはほとんどが配当金の手数料や手続き費用などを個人名義の口座へ支払うように求めてきます。振り込め詐欺の場合と同様なのですが、送金先に個人口座を使われてしまっていると、私どもでも相手方を特定することができず、返金を求めることが難しくなってしまいます。

競馬詐欺被害の返金交渉、証拠にできるものは?

競馬投資詐欺

全額保証を謳い、コロガシという方法で馬券を買うように指示する競馬情報会社があります。この買い方は非常にギャンブル性の高い買い方であり、投資といえるようなものではありません。

コロガシを日本中央競馬会(JRA)では次のように解説しています。

勝馬投票券の買い方の一種で、あるレースの払戻金全額をその次のレースに充て、その払戻金額全額をまたその次のレースに充てるような購入方法。複勝など的中確率が高いと思われる投票法に使われることが多い。

出典: JRA競馬用語辞典

このコロガシという買い方は払い戻し金を常に全額、次のレースに充当するため、1度でも負ければゼロです。

近年、競馬情報会社との交渉の中で、「サイトからの情報によって的中しているはずだ」など、情報の的中・不的中の結果を求められることがあります。特に、コロガシで購入されている場合、1回目と2回目の情報の的中や不的中が曖昧になってしまうケースが多いため、購入した情報、購入した馬券代、レースの結果などをまとめておいていただいてあれば、それを証拠に私どもも業者に対して、返金交渉がしやすくなります。

競馬投資詐欺の被害、ご相談はインサイト法律事務所へ

競馬は証券取引や投資信託、不動産投資のような、投資のための金融商品ではなく、ギャンブル以外の何ものでもありません。最近、競馬詐欺も他の詐欺と同様で手口が複雑、多様化し、詐欺だとわかりにくくなってきているものもあります。

わたくしども弁護士法人インサイト法律事務所は詐欺被害に遭われ、お金を騙し取られた方々へ返金させるため、詐欺師との交渉に取り組んでまいりました。代表弁護士の第二東京弁護士会所属・大川博俊をはじめ、事務所スタッフたちは競馬詐欺や競艇詐欺、さらには占い詐欺や副業詐欺などの被害に遭われた多くの方々に寄り添い、解決に向けて取り組んできました。詐欺によって騙し取られたお金は全額ではないかもしれませんが、取り戻せる可能性があります。わたくしどもインサイト法律事務所は競馬詐欺をはじめとする多くの詐欺被害に対する無料相談窓口を開設しています。着手金は無料です。騙されたかもしれない、騙されていた、そういった場合、できるだけ早くご相談にいらしてください。