詐欺に遭ったけれど、時効になっている?返金されない?

世間を揺るがすような事件で犯人が見つからず時効になった、あと数ヶ月で時効になる、そういうニュースで「時効」という言葉を耳にしたことがあるはずです。「大きな犯罪だったにも関わらず、犯人は捕まることなく、数十年が経過し、時効となり、処罰されなくなった」、おそらく多くの人がご存知の「時効」はそういった内容ではないでしょうか。他の事件と同じように詐欺事件にも「時効」が存在します。「詐欺に遭ったのだけれど、数年前のことだし、もう戻ってこない?」「もう時効になっているだろうから諦めるしかないのか」と返金を諦めないでください。詐欺被害で騙し取られたお金は戻ってくる可能性があります。

時効にはいろいろな種類があります

時効

「時効」といっても民事事件における時効と刑事事件における時効という二つの時効があります。さらに民事ではさらに取得時効や消滅時効、一方の刑事上であれば公訴時効や刑の時効など細かくあります。

民法における取得時効と消滅時効

取得時効は不動産のトラブルなどで起こる時効です。例えば所有したときには実質的な所有者でなくても、長期間その不動産を占有していることによって、時効が来ると自身が所有者になれてしまうということです。消滅時効は債券の権利トラブルなどで起こる時効であり、一定の期間、権利を行使しない場合の時効です。一つの例として挙げられるのが、借金を貸した相手に請求しないままにしておくと、貸していたお金の権利がなくなってしまうというような場合です。

刑事事件における公訴時効と刑の時効

刑事事件における時効、公訴時効は犯罪が発生して、一定期間の間に裁判所へ起訴しないと、時効であり、時効がくると犯人を処罰できなくなってしまいます。刑の時効は刑事裁判で刑を言い渡されたにも関わらず、刑罰の執行を受けないと一定期間で時効となり、執行できなくなってしまうことです。

詐欺事件における時効

時効

詐欺事件は民事、刑事、どちらもありますし、どちらも告訴することができます。刑事事件における告訴は詐欺を行った相手に対して、刑事罰を求めるための告訴です。一方の民事事件は当事者同士、企業同士のトラブル解決のために行うものです。

詐欺が刑事事件となった場合は10年以下の懲役

刑事事件の場合、審判によって有罪判決が確定すると、刑法二百四十六条によって、10年以下の懲役となります。罰金はありません。

第三十七章 詐欺及び恐喝の罪
(詐欺)
第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

出典: 刑法(明治四十年法律第四十五号・令和五年法律第六十六号による改正)

刑事事件となった場合、一定期間中に起訴できないと公訴時効となって、この刑事罰を求めることができなくなってしまいます。また、詐欺事件の場合、立証が難しく、刑事事件としての告訴などを受理してもらえないというケースも見られます。

不法行為に基づく損害賠償請求権の時効

私ども法律事務所が詐欺事件の被害で「時効」を意識するのは「不法行為に基づく損害賠償請求権の時効」です。占い詐欺や支援金詐欺、競馬詐欺など、各種詐欺事件の被害に遭われた方が返金請求をする際の時効です。

2017年に、「民法の一部を改正する法律(債権法改正)」が成立し、2020年4月から施行されました。この改正に伴って職業別の短期消滅時効の特例が廃止されたことから、債権の消滅時効期間が変わっています。この改正法は2020年4月1日に施行されたものであり、2020年4月1日以降に発生する債権について適用されています。

民放でこの改正があったことにより、債権の発生時期によって、改正前の時効ルールなのか、あるいは改正後の時効ルールが適用になるのかなど複雑になっています。そのため、「時効ではないか」とご自身で判断するのではなく、まずは法律事務所や弁護士法人などへ、ご自身の詐欺被害が時効になっているのか、また、返金交渉の可能性はあるのかをご相談することが大切です。

時効?かなり前?時間が経っている?返金の可能性はあります!

私どもインサイト法律事務所へご相談にいらっしゃる方の中にも、数年前に占いサイトや出会い系サイトの被害に遭っていたという被害者がいらっしゃいます。「かなり前に利用していたから無理だと思うけど」「時効かもしれないけど」「もう時間が経っているから諦めているけど相談だけ」などとお問い合わせいただくことがあります。

また、占いサイトや出会い系サイトを利用され、詐欺に遭っていた方がお亡くなりになり、遺品整理や財産調査をしている中で被害が発覚。遺族の方がご相談にいらした事例もあります。

時期が経過しても、返金させることに成功した事例も数多くあります。時効かもしれない、かなり前のことだから、無理かもしれない、と思わず、まずはお気軽にご相談いただければと思います。

5〜6年前のことでも返金された事例があります!

詐欺

ここで、インサイト法律事務所が5〜6年前の詐欺被害でも返金させたという、最新の事例をご紹介いたします。詐欺の被害に遭ったのは千葉県在住、50代の女性。5~6年くらい前に高額当選するという占いサイトを利用して560万円を業者に支払っておられました。返金はされないだろうと思って諦めていたそうですが、もしも戻ってきたら、と思い、相談にいらっしゃいました。

占い会社の運営会社と利用金額を調査し、特定

この女性にお話をうかがうと、利用時期や支払い金額についての記憶も曖昧というような状態でした。そこで女性の手元に残されていた資料を一式集めていただき、持ってきていただき、精査、確認。さらには調査を進めて、この占いサイトの運営会社や利用金額などを判明させることができました。そこから運営会社側に対して私どもで返金交渉を行い、和解・返金させることに成功しました。

実はこの返金交渉、被害に遭われた詐欺が「不法行為に基づく損害賠償請求権の時効」になってしまった後のことでした。それでもこうして返金させることができた例もあります。

運営会社が残っていれば返金交渉できる可能性あり!

詐欺被害から時間が経っていても、当時の会員IDと支払い金額、請求先などを判明させることができれば、交渉次第で返金の可能性は少なくありません。しかし、これは悪質な業者全般にいえることなのですが、この手の業者は一定期間運営した後、サイトを閉鎖し、逃げてしまうケースが少なくありません。返金交渉するためには運営会社が残っていることが条件です。この事例では時効後の返金交渉で、運営会社があったから、できた交渉です。時効前であっても運営会社を消滅させられていたのではどうにもなりません。

詐欺被害に遭ったと気が付いたら、できるだけ早く相談窓口を開設している私どもをはじめとする法律事務所や弁護士法人へいらしてください。

詐欺被害、時効かも?と諦めずに!ご相談はインサイト法律事務所へ

わたくしども弁護士法人インサイト法律事務所は代表弁護士の第二東京弁護士会所属・大川博俊と事務所スタッフは当選詐欺や占い詐欺などの被害に遭われた多くの方々に寄り添い、解決に取り組んでいます。詐欺によって騙し取られたお金は全額ではないかもしれませんが、取り戻せる可能性があります。「だいぶ前の被害だから」「もう時効になってしまったかも」、などと自己判断せず騙された、と思ったら、できるだけ早く、ご相談にいらしてください。返金を決して諦めないでください。わたくしどもインサイト法律事務所は詐欺被害に対する無料相談窓口を開設しています。着手金は無料です。