競輪で本当に稼げる?そのサイトは競輪詐欺の可能性も!?
競輪の車券は各競輪場および場外車券売場にある「投票窓口」や電話でしか購入できなかったのですが、オンラインでの投票が可能になり、競輪投票サイトや競輪投票アプリから簡単に購入できるようなっています。この数年で競輪を楽しむ人が増えたのにはこうした背景があります。競輪を楽しむ人が増えてきた一方、競輪詐欺の被害も増加しています。「絶対的中」「高額配当確実」「稼げる」「競輪投資」などの誘い文句に引っ掛かり、多額のお金を騙し取られた人が少なくありません。
目次
競輪詐欺とは?その手口を知りたい!
競輪詐欺の手口は、ほとんどが競馬詐欺や競艇詐欺と同じような手口、同じような勧誘方法で自社運営の予想情報サイトへ誘き出し、高額な予想情報を売りつけたり、あるいは有料ポイントを消費させたりといったパターンでお金を騙し取っています。
出来レース?八百長レース?レース前に結果がわかる!?
競馬や競艇の情報サイトで行われる詐欺行為で見られるのが、「レース前に結果がわかる!着順を教える!」というもの。現役の競輪選手や関係者からの極秘情報やマル秘情報などの文言で有料情報を売りつける手口です。
しかし、公営レースである競輪で出来レースや八百長レースはありません。競輪は自転車競技法という法律に基づいて行われています。自転車競技法の第60条では選手のワイロ収受を厳しく禁じています。
“競輪の選手が、その競走に関して賄賂ろを収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役に処する。よつて不正の行為をし、又は相当の行為をしなかつたときは、五年以下の懲役に処する。” (自転車競技法第六十条)
またこの自転車競技法の第63条ではワイロを送る方についても厳しく禁じるものとしています。
“第六十条又は第六十一条に規定する賄賂ろを供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。” (自転車競技法第六十三条)
競馬や競艇など公営競技ではこうした関連法案が整備されていて、出来レースや八百長を行ってもメリットがありません。
つまり、「出来レースがわかっている」「着順がわかっている」という誘い文句のサイトは詐欺サイトだと思って間違いありません。
最近の傾向はコロガシの情報提供
「コロガシで稼ごう」「コロガシ成功で大儲け」「コロガシ予想的中」「誰でも簡単に転がせる」など、競輪についての情報を検索すると「コロガシ」「転がし」という言葉を目にする機会が少なくありません。
「コロガシ」は1レース目で得た払戻金を全額、次のレースの車券代に使うという賭け方です。成功すれば雪だるま式に払い戻し金が増えることになります。このコロガシ、「少ない賭け金で大きく稼げる」という言葉で勧誘しているのですが、それは賭ける全レースで的中すれば、の理想です。
ギャンブルの世界に「絶対」はありません。1レース目で払い戻しがあっても、2レース目が的中しない、を何度も繰り返せば、大きく儲けるどころか大損です。
業者側は「コロガシは少ない投資額で大きく儲けることができる」と理想的に的中した場合の勝ち方を解説し、「コロガシで稼ぐためにはこの買い方で」「そのための予想情報はここで」と、予想情報サイトを紹介、勧誘するというのが最近の競輪詐欺のパターンです。こういったコロガシの予想は競輪だけでなく、競馬や競艇でも行われています。
コロガシ情報で220万円の競輪詐欺被害に
インターネット上を検索すると、会員登録無料、無料プランあり、などの競輪予想情報サイトが数多く表示されます。福井県在住30代男性も検索して見つけたサイトに会員登録しましたが、そこで被害に遭われ、わたくしどもインサイト法律事務所へ相談にいらっしゃいました。
コロガシの予想情報を購入するも的中は1レース目をたったの2回だけ
男性は口コミや評価が良かった競輪情報サイトに登録しました。サイトの運営業者はこれまでサイトでどれだけ高額配当の車券を的中させてきたか、その実績を猛烈にアピール。「高い的中精度は一目瞭然」「情報収集に数百万円かけている」「まずは軍資金を手堅く稼ぎましょう」と有料情報の購入を勧誘されます。
このサイトが販売した情報はすべてコロガシの予想でした。1レース目に当たったことは2回あったということですが、いずれも2レース目は外れてしまい、配当金はゼロに。業者がいう理想のパターンにはなりませんでした。
確実に当たる、は競輪詐欺の典型的な誘い文句
この競輪情報サイトはポイント購入をさせ、消費させるタイプのものでした。その後も男性はポイント購入をし続け、「確実に当選する」と言われる救済プランや最上位の情報などを次々と購入してポイントを消費していきます。
競輪など公営競技に「絶対」はありません。「確実」もありません。男性は全く結果をだすことができませんでした。業者はさらなる情報を購入するよう言うばかりで、不審に思い、わたくしどもへ相談にいらっしゃいました。そのときには被害額は220万円になっていました。
わたくしどもで返金交渉を行いましたが、業者側は1レース目を的中させているから不的中にならないということを主張してきました。しかし、このサイトが販売した予想情報はコロガシを的中させるというものでした。このような相手の誤魔化しを見逃さずに追及することなどによって、全額とまではいきませんでしたが、情報料の6割程度を返金させることに成功しました。
競輪詐欺などの返金交渉は立証が困難
競輪詐欺被害の返金交渉は詐欺を立証することが簡単ではありません。もしご自身が競輪詐欺に遭っているのではないか、と思われたときにはサイト側からの勧誘内容がわかるメールやメッセージ、送られてきたパンフレットなどは消去せずに残しておくこと、携帯電話のスクリーンショット機能を利用して保存するなど、証拠を保全してください。また、ご自身が契約、申し込みをされたプランや内容、業者側から提供された情報、その結果についてまとめておくことも必要です。
今回の事例でもご紹介したように競輪詐欺を行う業者は返金交渉の際、情報の的中不的中に関しての主張を行ってきます。依頼者に対して提供してこなかったプランの的中実績を、依頼者が契約しているプランで的中したかのように主張してくる業者も少なくありません。交渉に立つわたくしどもの側でも事実がどうであったのか、どうなったのかを把握しておかなければ、競輪詐欺の返金交渉の場に立つことができないのです。
競輪詐欺の被害、返金は非常に困難!でも諦めないで!
競艇情報サイトに登録し、情報料を支払ったのに情報が提供されなかったというのであれば、明らかに違法サイトでしょう。業者の居所がわかっているのであれば、返金交渉は詐欺行為を立証することで、交渉のテーブルにつくことを一気にちかづけることができるでしょう。
しかし、業者が提供してきた有料情報、予想が外れたから、「おかしい」「お金を返せ」と言うことは難しいのです。
そのためには競艇詐欺であることを立証する必要があります。われわれ専門家であっても簡単なことではありません。ですから被害に遭われた方が業者にいくら文句を言ったところで、直接、返金交渉を行おうとしても、大抵、門前払いにおわってしまいます。
詐欺被害の返金を求めるために必要なことは?
競艇詐欺の返金交渉はプロにとっても難しいものの一つです。しかし、返金される可能性がゼロではありません。コロガシを例にすると、業者側の言い分は大抵、「最初のレースは当たっているのだから、販売した有料情報は間違っていない、詐欺ではない」というものです。しかし、コロガシの予測情報は複数レースまとめてのもの。結論から言えば不的中ということになります。また、こういった詐欺まがいの行為を行っている業者は「高い的中率」「100万円以上当たるチャンス」「高額収入が目前に」「絶対当たる」「高回収率」など射幸心を煽るだけでなく、虚偽あるいは度を越えた大袈裟な表現で勧誘しているケースが少なくありません。
業者側の主張に反論し、返金交渉を行うためには予想が外れたレースの結果、業者からの予想情報、その前後のメッセージやメールのやりとりなどを、まとめて保存していただいておくことが重要になります。
競輪詐欺被害の返金交渉、ご相談はインサイト法律事務所へ
ご紹介したように競輪詐欺の返金交渉を被害者自身が行うのは詐欺被害の立証することから非常に難しく、門前払いになってしまうことがほとんどです。しかし、詐欺によって騙し取られたお金は全額ではないかもしれませんが、取り戻せる可能性があります。決して諦めないでください
わたくしども弁護士法人インサイト法律事務所は代表弁護士の第二東京弁護士会所属・大川博俊をはじめ、詐欺被害の返金交渉に取り組んできたスタッフたちが競輪詐欺のほか、競馬詐欺や競艇詐欺、さらには占い詐欺や副業詐欺などの被害に遭われた多くの方々に寄り添って、解決に取り組んでいます。 わたくしどもインサイト法律事務所は競輪詐欺をはじめとする多くの詐欺被害に対する無料相談窓口を開設しています。着手金は無料です。