サクラサイト、出会系で騙された!その返金方法は?弁護士が解説!

友人、恋人、結婚相手など、人と出会ったり、知り合ったりするきっかけが変化しています。かつては学校や職場、友達の紹介などが一般的でした。しかし、最近はSNS、出会系アプリやサイト、マッチングアプリといったインターネットサービスを介した出会いも少なくありません。NHKが2024年8月、「結婚相手と出会いのきっかけ マッチングアプリが最多」という政府の調査結果を報道。また、JNN系列の民放局が2025年4月、マッチングアプリ運営会社が6年間で大幅に増加したことを報じています。出会う形も変わり、出会系アプリやサイト、マッチングアプリなどの利用に抵抗がなくなってきたことでユーザーも増加しています。その一方でサクラを使った出会系アプリ、サイト、マッチングアプリなどによって行われる詐欺行為も後を絶たない状況にあり、被害者の数は増える一方です。こうしたサイトやアプリで詐欺の被害にあったお金を返金してもらうことはできるのでしょうか。

増える出会系アプリ、サイトのユーザー

出会系

出会系アプリ、サイトを運営する企業が増加の一途を辿っています。JNN系列で、富山県の民放局、チューリップテレビは今年4月、東京商工リサーチによる調査で、マッチングアプリの運営会社数は2019年から2025年の6年間で5.6倍に増加し、28社にまで拡大したことを報じました。その中でこうした運営会社や出会系アプリ、サイトが活況を呈しているのはコロナ禍で出会い場や機会が減少していたことや、ユーザーの出会系アプリやサイトに対する認識の変化が要因となっていると分析結果を紹介しました。

出会系に対する意識の変化は昨年7月、こども家庭庁が15歳から39歳の2万人を対象に実施した、結婚をテーマにしたアンケートの結果にも表れています。回答者のうち、既婚者に結婚相手との出会いのきっかけを尋ねた質問では、4人に1人にあたる25%がマッチングアプリと答え、最も多くなりました。

出会系アプリやサイトの利用者が増加していく一方、かつて出会系で社会問題となったサクラ行為や詐欺も再び増加傾向にあります。

出会系で行われる典型的な詐欺

出会系

「サクラ」とは、サイトの運営会社が雇った偽物の会員のことを指します。一般の利用客を装ってサービス内に潜んでおり、本当の出会いを求めているユーザーを欺くことを目的としています。このほかにも国際ロマンス詐欺、美人局(つつもたせ)などがあります。いずれの詐欺も出会系で行われるのは友人や恋人、結婚相手を探している人を巧みな宣伝文句や画像で誘い、お金を騙し取るというものです。

サイト内の有料ポイントを消費させる詐欺「サクラ」

「サクラ」は古くからある手口です。サイト内の有料ポイントを消費させたり、高額な料金が発生する別の悪質サイトへ誘導したりすることが目的に、運営会社が雇った「サクラ」や、外部の悪質業者が、魅力的なプロフィールを使って利用者に近づきます。「会いたい」「連絡先を交換したい」などの誘い文句でおびき寄せ、「文字化けを解除するためにポイントが必要」「サイト外での連絡は禁止されている」といった理由で、メッセージのやり取りを続けさせようとします。巧みな会話で利用者の同情や期待を煽り、ポイント購入を促し続けます。

美人局(つつもたせ)は詐欺というよりも恐喝

この詐欺も古くからあるものです。女性が男性を誘い出し、性的関係を持った後や、持とうとしたとき、女性の仲間が登場し、法外な示談金や慰謝料として、お金を脅し取る手口です。詐欺というよりはむしろ恐喝という犯罪です。事を荒立てたくないという心理的弱みに付け込んできます。

ロマンス詐欺

恋愛感情を悪用し、様々な口実で金銭を送金させることが目的にお粉割れるのが国際ロマンス詐欺です。恋愛感情や結婚願望を巧みに利用し、長期間にわたって信頼関係を築いた上で金銭をだまし取ります。医師、軍人、実業家など社会的信用の高い職業を自称し、甘い言葉で猛烈にアプローチしてきます。「事業で急にお金が必要になった」「2人の将来のために一緒に投資をしよう」など、様々な理由をつけて送金を要求します。一度送金してしまうと、「手数料が追加で必要」などと、次々と理由をつけて金銭を要求し続けます。

投資・副業詐欺

ロマンス詐欺から派生することが多い手口が投資詐欺や副業詐欺です。親密な関係になった相手から、「必ず儲かる」「二人で将来のために資産を作ろう」などと持ちかけ、偽の投資話や副業話に誘導します。偽の投資プラットフォームなどに入金させ、資金をだまし取ります。最初は少額の利益が出るように見せかけて信用させ、さらに高額な投資を促します。利益が出たように見せかけており、いざ出金しようとすると、「税金の支払いが必要」「保証金が必要」「手数料が必要」などと理由をつけて出金に応じず、最終的に連絡が取れなくなります。

デート商法や法外な飲食店への誘導

デートの約束を取り付けさせ、高額な商品やサービスを契約させたり、法外な料金を請求するバーなどの飲食店へ連れて行ったりする手口です。デートを重ねて恋愛感情を抱かせた後、「あなたのために」「将来のために」などと言葉巧みに、高額な宝飾品や絵画、エステなどの契約を迫ります。そのほか、「良いお店を知っている」と、女性がグルになっている特定の飲食店に誘導され、会計時に数十万円といった法外な料金を請求されます。

出会系の詐欺、こんな誘い文句や誘惑に注意!

出会系

出会系アプリやサイトにおける詐欺の手口で一番多く見られるのは一般ユーザー、登録者のふりをしたサクラによる詐欺です。悪質な出会系だけでなく、健全に運営されていると見られるアプリやサイトでも詐欺師が現れており、「LINE教えて!」「LINE教える!」というパターンで、LINEを利用した詐欺が横行しています。次に挙げるような点があれば、相手を疑った方がよいでしょう。

出会系の詐欺が疑われるケース

・華麗すぎるプロフィール: プロフィール写真が美男美女すぎる、経歴が華やかすぎる場合には注意が必要です。画像検索をしてみると無断転用を発見できる場合があります。

・違和感がある日本語:ロマンス詐欺の被害者に証拠を見せていただくと、送られてきたメッセージが翻訳ツールを使った、不自然な日本語になっている例が見られます。

・LINEや外部サイトへの移行を促してくる: サイト運営の監視が及ばない外部アプリでのやり取りに誘導し、詐欺行為を隠蔽しようとします。

詐欺からご自身を守るために

出会系アプリやサイトで詐欺被害に遭わないためには、安易にご自身の氏名、住所、勤務先などの個人情報は、関係性が深まるまで教えないようにすること、「必ず儲かる」「お金に困っている」など、金銭の要求があれば詐欺を強く疑うこと、そして、可能であれば、会う前にビデオ通話をして、なりすましを行っていないか確認することが有効です。

出会系のアプリやサイトでの詐欺被害は返金される?

出会系

インサイト法律事務所は返金交渉を専門的に行うことで、これまでに数多くの詐欺被害者救済活動に取り組んでいます。出会系のアプリやサイトでの詐欺被害も簡単ではありませんが、交渉次第で返金される可能性があります。被害に遭っても泣き寝入りしないでください。国民生活センターやインサイト法律事務所のような相談窓口を開設している法律事務所へ行きましょう。

返金交渉はプロでも困難な場合があります

出会系で被害に遭われた方の返金交渉は基本的にサイト運営会社もしくは各支払方法の決済先、例えばクレジットカードであれば決済の引き落とし先、銀行振り込みであれば銀行口座の名義人などへの請求・交渉になります。

インサイト法律事務所では多くの案件を取り扱ってきており、ノウハウもあるのですが、それでも返金交渉が困難なときがあります。返金が大変だったケースの一例を挙げると、運営会社や決済先、つまり口座名義人との交渉ができないという場合です。特に、出会系を運営している会社が海外サイトだったり、運営会社が架空だったりというときには、決済先とコンタクトが取れるかどうかが重要になります。

出会系の詐欺で返金が困難だった事例

インサイト法律事務所が取り扱った出会系での詐欺被害に対する返金交渉で非常に困難な事例がありました。ここでご紹介させていただきたいと思います。

東京在住50代の男性が220万円の被害に

被害に遭われたのは東京都在住50代の男性です。マッチングアプリで知り合ったサクラの女性から出会い系のサクラサイトに誘導され、女性とのやり取りにお金を支払ってしまいました。被害額は220万円でした。

男性はインサイト法律事務所にご相談に来られました。調査の結果、サイトを運営している会社は架空会社であることが判明。そこで、支払い先の口座名義人を特定しました。この名義は法人でした。まずは運営会社にメールで通知し、口座名義会社にも郵送で通知を行いました。しかし、指定期日まで回答が来なかったため、口座名義会社に催促状を送付。催促状に対しても回答はありませんでした。

口座の名義会社を突き止め直接返金交渉へ

インサイト法律事務所は調査で支払い先の口座名義会社が都内にあることは突き止めていたため、直接訪問。その日は留守でしたが、後日、この会社から連絡があり、無事、和解交渉に辿り着くことができました。相手が交渉の土台に乗らない場合、裁判などの手続きをするしかなく、被害者の方たちのご負担も大きくなってしまいます。インサイト法律事務所では、なるべく交渉で解決に至るよう努力しています。なるべく交渉で解決に至るよう努力しています。

詐欺被害の返金交渉、できればプロにお任せください!

ところで、この事例をみて、ご自身でも詐欺を働いた相手と直接交渉できるのではないか、と思われたかもしれません。しかし、直接交渉、ましてやサイト運営会社の所在地と思われるところへ訪問するのは、おすすめできません。ご自身でサイト運営会社を突き止めることができても、できれば返金交渉のプロにお任せいただきたいということです。運営している相手がどんな人物なのか、どんな企業なのかがわからない状態のところを直接訪問することは危険と背中合わせの行為です。

出会系アプリ、サイトにおける詐欺被害の相談、返金交渉はインサイト法律事務所へ!

出会系アプリやサイトで騙し取られたお金は取り戻せるかもしれません。今回紹介した事例のように困難な場合もあります。しかし、インサイト法律事務所ではこれまで蓄積してきたノウハウと交渉力で解決を目指しています。弁護士法人インサイト法律事務所には、詐欺に遭われた被害者を救済するべく、代表弁護士の第二東京弁護士会所属、大川博俊をはじめ、これまで返金交渉に取り組んできたスタッフが在籍しています。

ご自身が出会系で詐欺被害に遭っていると気が付いたとき、もしかして騙されているのではないかと思ったときには、インサイト法律事務所にご相談ください。インサイト法律事務所は出会系などで詐欺被害に遭った方々の無料相談窓口を開設しています。