副業詐欺の加害者になってしまうことも!?その手口は?

「少しお小遣いが欲しい」「自由になるお金がちょっとだけ欲しい」「副業をやってみたい」、そういう人が増えています。厚生労働省は2018年、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定しました。このガイドラインは企業や社員が現行法令のもとで、留意すべき点などをまとめたものです。また2020年には企業、そして社員が安心して副業・兼業を行うことができるようルールを明確化するためにこのガイドラインが改定されました。国はこのガイドラインをもとにして、副業・兼業を持つ働き方の導入を後押ししています。そうした中、副業を誘い文句に行われる詐欺行為が増えています。

副業詐欺に引っかからないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。また、最近は副業をするつもりが副業詐欺の加害者になってしまったという例もあります。副業詐欺の手口を知ることで詐欺の被害者・加害者にならないよう注意しましょう。

副業詐欺、どんな手口で騙される?

副業詐欺について、これまで何度かご紹介してきました。よく知られている勧誘の手口は「簡単な作業で高収入」「スマホの簡単な操作で高額報酬」「話し相手になるだけで高収入」など、高額や高収入、簡単といったキーワードで詐欺サイトにおびき寄せるというものが多く見られます。

副業で稼ぐ前に費用が必要なものはほとんどが詐欺

詐欺サイトに呼び寄せたら、副業をするためには「サイトに登録する費用が必要」「有料の講習を受ける必要がある」「教材を買う必要がある」「資材を買う必要がある」などの理由をつけて、お金を騙しとります。わたくしどもインサイト法律事務所へ相談にこられた副業詐欺の被害者がひっかかってしまった手口の多くはこのパターンです。

副業だと思ったらマルチ商法だった!

組織に加入して、新たな会員を増やしていくことでマージンが得られる「マルチ商法」の仕組みを悪用した副業詐欺もあります。販売する商材が全く役に立たない情報商材であるにもかかわらず、売りたい、手数料を得られる会員を増やしたいと、嘘の説明をすれば自分自身が副業詐欺の加害者になってしまうという可能性もあります。そういった事例も少なくありません。

被害事例で見る!副業詐欺の新たな手口

最近は行政機関、全国の消費者センターのほか、わたくしどもインサイト法律事務所のような詐欺被害相談窓口を開設している法律事務所が副業詐欺について、注意喚起を促しており、その手口も紹介しているため、多くの人が知るところとなっています。そのため、詐欺師側も手を替え、品を替え、新たな手口を生み出してきています。一つの例ががネットショップ開設のコンサルティングや手数料などを名目にして行われている詐欺であり、最近、当事務所への相談が増加傾向にあります。

ドロップシッピングの仕組みを悪用したものも

一つの例がドロップシッピングによるネットショップ運営の仕組みを悪用したものです。ドロップシッピングは商品を仕入れることなく、販売できるビジネスとして注目されています。商品を仕入れ、発送するのはドロップシッピング業者が行います。ネットショップを運営する人はこの業者が取り扱っている商品の中から自分のネットショップで売りたいものを選び、掲載するだけ。簡単な仕組みでコストもさほどかからないことから、副業として取り組みやすいと注目されています。

そうした中、「ショッピングサイトを作るだけで高収入」「ネットショップのサイト作成をフルサポート」「売れ筋の商品をご用意」「在庫を持たないので赤字リスクもほとんどなし」「サイトの運営・管理はすべてお任せ」などの口車に乗ってしまい、サイト作成や集客対策などの名目で多額の初期費用を業者に騙し取られるという被害例や、実際にはない商品がラインアップされていて、商売にならない、といった被害例が見られます。

ネットショップ開設?法人設立?それは副業詐欺かもしれません!

最近、増えているネットショップ開設の副業詐欺ですが、わたくしどもインサイト法律事務所の相談窓口にいらっしゃった最新の被害例をご紹介します。いずれも非常に悪質な例です。ネットショップを開設したり、法人を設立したりするだけで、楽に稼げるということはありません。

ネットショップ開設を勧誘され、430万円の被害に

佐賀県在住、20代の女性はマッチングアプリで知り合った人から、ネットショップの開設・運営を持ちかけられました。女性は指定された商品を安く仕入れ、それを相手が高く販売し、売れるとその金額が振り込まれるというシステムだったといいます。ビジネスを始めるに当たって、女性は商品を購入する必要がありました。ネットショップの経営ですから、商品の仕入れに費用が発生するのは当たり前のことだ、と女性は信じていたそうですし、開始当初は、数万円の取引で売上があったと連絡があり、その都度入金があったので全く疑わなかったのです。

何度か取引を行ったところで、金額が上がり、数十万円、さらには100万円を超える取引を指示されました。これまで取引の実績がありましたし、相手からの入金も滞りなく行われていたことから、女性は銀行から借入れをして、支払いを行いました。その代金は300万円を超えてしまっていました。

しかし、売上金が全く入金されなくなったばかりか、「システムが故障したことによる修復費」や「税金分を支払えばすぐに振り込まれる」など、さまざまな名目で費用を請求され続け、そのたびに支払いを続けてしまいました。詐欺ではないかと思い、被害額は430万円になっていたところで、わたくしどもインサイト法律事務所の相談窓口にいらっしゃいました。

詐欺の窓口に悪用されてしまった千葉県在住40代の女性

もう一つの事例です。この事件の被害額はわずかなのですが、詐欺事件に巻き込まれ、気が付かないうちに自身も加害者になってしまったという、非常に悪質な副業詐欺の事例として紹介させていただきます。

千葉県在住40代の女性はSNSで知り合った人から副業を紹介され、税金対策として合同会社の設立を勧められました。この紹介者が登録費用などで掛かる費用はすべて負担してくれる、法人を設立するだけ、という、好条件に感じられる提案を持ちかけてきたことから、女性は法人登記や口座開設を行いました。設立後、紹介者から指示され、その会社の通帳や印鑑などをすべて渡したのですが、副業がスタートする準備に数か月かかると言われました。

女性は何も疑うことなく、紹介者からの連絡を待っていました。しかし、数か月後、弁護士などからの通知、さらには金融機関や警察からの問い合わせがありました。そこで、自分が設立した会社が詐欺の振込先に利用されていたことを知ったのです。

副業をするつもりが詐欺師の手先、加害者となってしまっていたのです。

副業詐欺による被害、相談はインサイト法律事務所へ!

副業詐欺は複雑、巧妙化しています。注意していたのに、被害に遭ってしまった、どうしよう。そうお悩みの方、騙し取られたお金は取り戻せるかもしれません。諦めないでください。弁護士法人インサイト法律事務所には、代表弁護士の第二東京弁護士会所属・大川博俊をはじめ、ネット詐欺に遭われた被害者を救済するべく、返金交渉に取り組んできた弁護士が在籍しています。ご自身が副業詐欺の被害に遭っていると気が付いたとき、もしかして副業詐欺に遭っているのではないかと思ったとき、あるいはご家族の様子がおかしい、そんな時には、わたくしどもインサイト法律事務所にご相談ください。インサイト法律事務所はネット詐欺被害に対する無料相談窓口を開設しています。着手金は無料です。